重量はカナディアンカヌーの1/10!?
カナディアンカヌーのように大きく嵩張ることもなく、フォールディングカヌーのように組み立てに時間を要することもない。掌に収まる携帯用の小型エアコンプレッサーを使えばものの数分で船体は十分に膨らませることができるので、力のない女性や子供でも安心して利用できるのが大きな特徴。
ちなみにカナディアンカヌーは一般的に重量が20~40kg。フォールディングカヌーでも20kg近くあるが、パックラフトの主要な製品はほとんどが3~4kg以下である。
今回使用したモデルは「オーチョキャンプ」が別注した日本仕様のパックラフト。フロンティア製の静水モデルをベースにしており、写真のソロ (シングル用)「RTS-250」の他に少し小さめのソロ (シングル用)「RTS-220」やタンデム用の 「RTS-320」もある。
夢の四万十川でダウンリバー!
四国では四万十川や仁淀川、吉野川などの河川でパックラフトを使ったダウンリバーが楽しめる。ただし、四万十川も上流域では岩が多く流れも急になるなど、初心者には危険。ヘルメットを必要とするなど装備も変わってくる。初心者におすすめできるのは四万十川の下流域。特に今回の取材でダウンリバーを楽しんだ岩間沈下橋から勝間沈下橋までの約13㎞は、人工物がほとんどなく四国の大自然を満喫できるエリアだ。
上級モデルは積載重量200kg!
「オーチョキャンプ」でオーダーできるパックラフトはタイジップと呼ばれるジッパーを備えており、膨らませる前にジッパーをあけて船体のチューブ内部(左右)に荷物を収納できる。専用の防水バッグを使うと容量は片側56ℓ、左右合計112ℓにもなる。もちろん船体の上にも荷物は乗せられる。上級モデルでは積載重量が200kg近くになるモデルもあるためキャンプ用品を携行するのも楽々だ。
ラフティングとパックラフトは何が違う?
急流を複数人で降るのがラフティング。パックラフトはあくまでもパーソナルな移動手段であり、ソロ(シングル)またはタンデムで利用するもの。使用するパドルも種類が異なる。
日本の地形に合わせた“日本仕様”とは!?
北米で生まれたパックラフトは水深・幅のある川で利用されることが多い。一方で日本の川は水深が浅く、ダウンリバー時にも頻繁にパックラフトから下りる必要がある。このため「オーチョキャンプ」ではスプレーデッキのないオープンデッキを基本とし、底面にもセルフベイラーと呼ばれる排水用の穴をあらかじめ開けたモデルを標準としている。
乗船中はセルフベイラーから水が浸水するが船体左右のチューブで浮力を保つため沈むことはない。ただし、そのままでは下半身が濡れて体温を奪ってしまうこともあるので、専用のエアマットを組み合わせて体が濡れないように工夫している。さらに船体にはタイジップジッパーを装備しているのも大きな特徴。船体のチューブ内部に荷物を入れられるため、テントや着替えなども濡らすことなく運搬できるのだ。
パックラフト利用時は専門店へ相談しよう
パックラフトはカヌーなどを取り合うスポーツ用品店などで購入できる。「オーチョキャンプ」では、さらにオリジナルでカスタマイズを加えた別注モデルのパックラフトの販売を行なっており、ユーザーと一緒にダウンリバーを楽しむ川旅キャンプも定期的に開催している。知識や経験の必要な川旅だけに、こうした専門店を利用して購入することを強くおすすめしたい。
「オーチョキャンプ」では四万十川・仁淀川での体験ツアーも開催中
古民家を改修したカフェ&キャンプ用品店。「オーチョキャンプ」はキャンプ用品のブランド名で、カフェも併設することから店名の方は「オーチョ」としている。品揃えは厳選したキャンプ用品とパックラフトやライフジャケットなどのアクティビティギアが中心。カフェは自家養鶏の新鮮な卵を使ったメニューが人気。オムライスやプリンなど、手作りの絶品メニューも楽しめる。なお、「オーチョキャンプ」では四万十川や仁淀川を使ったパックラフトの体験ツアーも定期的に開催している。興味のある方は、ぜひお問い合わせを。
ADD|高知県香美市香北町永野207
PHONE|0887-59-3759
WEB|http://ocho-camp.com
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