キャンプの楽しみのひとつとしてギアの収集にこだわる人は少なくない。特に生産量の少ないガレージ系のギアは、使い勝手の良さだけでなく、入手が困難であることが人気に拍車をかけている。問題は続々とリリースされる新製品の数々。ここで登場するKENさんも、日々新作情報のチェックを欠かすことがないそうだ。
キャンプを始める理由は人それぞれだが、子どもが生まれ、家族が増えたことがきっかけになったという人はけっして少なくない。長年サーフィンにどっぷりとハマってきたKENさんが、海から山へと宗旨替えしてまでキャンプを始めたのも、子どもが生まれたことが理由だった。
KENさんはサーフィン、奥様はボディボードを楽しむというアクティブなふたりだったが、日差しの強い海辺は幼子には大敵。海へ向かう頻度は徐々に減りはじめ、代わりに家族で楽しめる趣味としてキャンプを楽しむようになった。
最初は大手メーカー製のお手軽なキャンプ用品で一式を揃えてスタート。まもなくSNSで“ガレージブランド”というディープなキャンプ道具の世界があることを知り、ざぁ~ッスのヘキサテーブルを入手する。振り返れば、この時が趣味の世界へと突き進む分岐点になったそうだ。そこから先は“言わずもがな”、である。
もちろん、ヘキサテーブルだけで満足することはできず、ファニチャーからギアまで徹頭徹尾ガレージブランドのギア類を揃えはじめた。アイテムは黒やグレーで色合いをまとめ、鉄や木を素材にした長く使える一生モノの道具が中心。
ランタンは手軽で明るいLED製品を使うが、運良くイワタデンキのクラッシュアイスを手にすることができたことで急遽ベイビースペシャル276も買い揃えた。現在も日々SNSで新しいブランドや製品のチェックは欠かさず、ギアの動向には常にアンテナを張り巡らせている。
1年ほど前には長年憧れ続けていたオールドマウンテン・ガラクダ(着せ替えジャケット)も手に入れることができた。抽選販売の権利を引き当てた時は、思わず頭の中でガッツポーズを決めたというチェアは、今ではもっとも大切にしている愛用の品だ。
そんなKENさんがキャンプサイトで特に気にしているのは夜の照明設計。イエティ・ロードアウトは、運搬時にはギア類のコンテナとして使用しているが、設営が終わると空になったケースの中にLED照明を入れて間接照明として使用。デバイスワークスとのコラボアイテムであるアナキャン・メタヘキテは、天板の裏側にゴールゼロを取り付けて、光と影が地面に映り込むのを楽しんでいる。
うまくセッティングできた時はもうひとつの趣味であるカメラで撮影し、SNSでも公開している。ラグジュアリーな雰囲気に包まれたKENさんのキャンプサイトは評判が高く、数多くのフォロワーにも支持されている。
ちなみにキャンプギアのコレクションは、マンションの高層階にある自宅まで毎回4往復して運搬していたそうだが、さすがに増えすぎたギア類の収納・運搬に困り、最近シャッター付きのガレージを借りて大移動。今ではキャンプ道具だけでなく、以前使用していたサーフボードまでディスプレイし、もう一つの趣味部屋として活用を始めたそうだ。
とにもかくにも、こうして収集されたマニアックなギアの数々を並べて、KENさんはお気に入りの道具に囲まれながらキャンプを楽しんでいる。仕事の都合で休みが平日に集中するというKENさん。目下の悩みは可愛い子どもたちと休みがなかなか合わず、一緒にキャンプを楽しむチャンスが少ないこと。
たまたま春休み初日と重なった取材日は、久しぶりに家族揃ってのキャンプアウト。奥様が手がけたキャンプ料理を美味しそうに頬張りながら、陽が傾いていくのを楽しんでいた。
CAMPER:KENさん&ファミリー
外洋ヨットレースを趣味にしているという父親に連れられて、幼い頃からマリンスポーツに慣れ親しんでいたというKENさん。高校生になるとサーフィンにハマり、趣味が共通する奥様と結婚。子どもが生まれてからは、家族で楽しめるキャンプへと舵を切り、海から陸へと趣味の範囲を広げた。写真はKENさんと、その愛する家族。
Instagram @naminori210
【KENさんのキャンプサイトギャラリー】※夜間の写真はKENさん撮影
次ページではKENさんの愛用品について、ご紹介していこう。
コメント