カフェの運営と共に、アウトドア用品の販売も手掛ける須山さん。優れた審美眼やセンスの良さは「タープ・トゥ・タープ(TARP TO TARP)」や「ログ(LOG)」の取り扱い製品を見れば納得できるだろう。海外で人気を集めている日用品を積極的に取り入れるなど、キャンプ道具の選び方も独特。故に完成したサイトにも独自の世界が広がっている。
キャンパーとキャンパーを繋ぐサードプレイスカフェ&ショップとして2019年にオープンした「タープ・トゥ・タープ」。横浜・馬車道の店舗は、話題のガレージブランド系ギアから独自に企画したオリジナル製品までさまざまなアイテムを揃えており、コーヒーを嗜みながらキャンプの話で盛り上がることのできる新しいスタイルのコミュニケーションスペースとして人気を博している。
その「タープ・トゥ・タープ」の代表を務める他、「ネルデザインワークス」と協業して立ち上げた「ログ(LOG)」など、アウトドア関連事業を幅広く手掛けるのが須山友之さんだ。
最近は冬山登山にもチャレンジしているというアクティブなライフスタイルを送る須山さんだが、じつはキャンプをはじめたのは5年ほど前。ランドローバー・ディスカバリー4を購入したのがきっかけとなり、外遊びの魅力にハマっていったという。
「ディーラーの営業マンに、こんなクルマを買ったら、キャンプぐらい楽しまないと、ってアドバイスされて……。友人に相談して初めて買ったのがテンティピのオニキスライトでした」と、当時を振り返る。
“最初に買ったテントがテンティピ……”という点からも、センスの良さや確かな審美眼が窺い知れるが、それだけにキャンプで使用している愛用品もまた、優れたデザインや使い勝手にあふれたものが多い。
美しいデザインや使い勝手の良さに惹かれた海外製品と
ハンドメイドで生み出される純国産品のミックスカルチャー
「キャンプ用品というよりも、屋外でも使える日用品を購入することが多いですね。特に職人が手作りで生み出すハンドメイド品や、デザイン性の高い海外製品に惹かれます」と須山さんは語る。
取材時はスノーピーク製のタープとサマヤ製のべースキャンプ(テント)を組み合わせてサイトを設営していたが、じつはこのタープも当時アメリカでしか購入できなかったアイボリーシリーズを海外通販サイト経由で入手したもの。
フランス製山岳テントとして知られるサマヤのテントも、国内では取り扱いのないハイスペックなモデルをわざわざフランスから購入したそうだ。
須山さんのサイトには、他にも海外の日用品を使ったセンスのいい道具が並んでいる。
美味しい一杯を抽出する、こだわりのコーヒー道具
特にこだわっているのはコーヒー道具だ。1日3〜4杯は飲むほどコーヒー好きという須山さん。「味をストイックに追求するタイプじゃありませんが、どうせなら美味しいコーヒーを飲みたいと思って、道具選びには特にこだわっています」。
お店でも美味しいコーヒーの淹れ方をテーマにしたワークショップを開催するなど普段から“最高の一杯”を追求しており、店舗で取り扱う商品にもコーヒー道具が数多くラインナップしている。
それだけにコーヒー道具の良し悪しにも精通しているのだ。
そんな須山さんに、コーヒー道具を選ぶ際のポイントを訊ねると「愛着の持てる道具を選び、普段家の中で使っているモノをそのままキャンプに持っていくことをおすすめします」と答えてくれた。
実際に須山さんがキャンプに持ち出しているコーヒー道具も、普段から自宅で愛用しているもの。キャンプ用に設計されたものではなく、家の中で美味しいコーヒーを楽しむために企画された道具類だ。
よく見ると須山さんはLEDランタンやBluetoothスピーカーも家庭用として企画されたものを使用している。
センスの良いサイト設計には、ジャンルに捉われずにいい道具を見つけ出す、“買い物のセンス”も必要なのかもしれない。
次ページでは須山さんの愛用品について、ご紹介していこう。
Camper:TOMOYUKI SUYAMA
タープ・トゥ・タープの代表として、カフェの運営だけでなくアウトドア用品の開発や販売もも手掛ける須山さん。ほぼ毎週楽しんでいるというキャンプはソロが中心。取材日は息子のソウスケくんと愛娘のみつきちゃんも参加して、父子キャンプを楽しんだ。
Instagram:@tarptotarp
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