世界の銘品が整然と並ぶ、ギアマニア「エセキャンパーさん」のディープな世界

キャンパー図鑑

キャンプという“コト”を楽しむだけなら、ちょっとした初期投資さえすればスタートできる。でも、キャンプグッズという“モノ”にハマってしまうと、そこには想像もしなかった世界が待っている。泥沼とも、底なし沼ともいわれる、終わりのない世界に足を踏み入れる覚悟があるのならば、久保さんのコレクションは間違いなく参考になるはずだ。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲久保さん夫妻のサイトにはガレージブランド好きにとってはどれも垂涎の的ともいえる素敵なギアがずらりと並ぶ。どれも時間をかけて集めてきた希少なコレクションの数々だ。

好きなものに囲まれた空間で過ごす、充実したアウトドアライフ

「エセキャンパー」というアカウントネームを使い、日々キャンプ情報をインスタグラム上で配信している久保さん夫妻。素晴らしいギアコレクションの数々からフォロワーも多い人気のキャンパーだ。

ネット上ではほとんど顔出ししていないため、すれ違っても本人だとは気がつかないかもしれないが、キャンプサイトを見ればきっとすぐにわかるはず。それほどまでに特徴的なサイトを、ふたりは毎回作り上げている。

じつはキャンプにハマる前はクルマを趣味にしていたというご主人のタツヤさん。リビングから愛車を眺められるようなガレージが欲しいと思っていたが、生憎自宅はマンションのため夢は実現できなかった。そこで、ガレージのように好きなものを愛でながら過ごせる空間を求めて、奥様と一緒に始めたのがキャンプだ。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲ヒルバーグ・アトラス“ミルスペック”×2張りのキャンプサイト。

もちろん澄んだ空気の下で過ごすアウトドアライフも楽しいが、それ以上に好きなのは、今も大好きなキャンプ道具に囲まれている時間。だからこそ必要な人数以上のチェアやテーブルを持ち出してキャンプを楽しむこともあるという。

そんな久保さん夫妻のキャンプモービルはトイファクトリー製のキャンピングカー。ハイエースをベースにしていることから数多くのギアを一度にたくさん運搬できること。さらにトイファクトリー製のキャンピングカーは他社モデル以上に車内を広々と使えるのが選んだ理由。キャンピングカーがあれば就寝用のテントも不要で、リビングだけに集中できる。ギアの多い久保さんにとってはまさに最適な一台だったのである。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲アトラス“ミルスペック”の内部。MDファクトリー製木製テーブルとイナウト製タートルテーブル(ウォルナットバージョン)を並べ、サンセットクライマックス製カーミットチェアを4脚組み合わせている。中央にはイナウトのスタックボックスをスタッキング。

マニア垂涎の貴重モデル
アトラス“ミルスペック”を連結させた大空間

今回はそんな久保さん夫妻が所有する愛用のキャンプグッズを、クルマからすべて降ろして、サイトを設営してもらった。圧巻はなんといってもヒルバーグ・アトラスの“ミルスペック” だろう。

ご存知の通りヒルバークはレーベルシステムにより、使用条件により適切なテントを選べるよう区分しているが、それはあくまでも一般向け製品の話し。ミルスペックはレーベルシステムとは無縁の特殊なモデルであり、軍需用に製作されたものだ。一般向け製品に比べ遮光性能が高く、ディテールにも違いが見られるなど、マニア垂涎のモデルである。

もともと一般流通することの稀なモデルだが、ヒルバーグがミルスペックの製造を中止したことで、さらに希少性が増し、現在はプレミアムプライスを上乗せしても手に入らないという貴重なテントになっている。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲こちらもアトラス“ミルスペック”の幕内。ノラズテーブル(手前)とレトロイズムのテーブル(奥)にブラックデザイン×ピノワークスのハイチェア、イキキ製グランドチェアなど。

久保さんはその“ミルスペック”バージョンであるアトラスを2張り(!)所有しており、互いをコネクタで連結、さらに出入口に取り付けるベスタビュールまで加え、幕内に2つのリビングを設けてサイトを完成させた。

もちろん取材用に設定した、かなり特殊なサイトではあるが、滅多に見られない組み合わせであることは間違いない。

ちなみに連結したことで幕内には2つのリビングが設けられ、8人分のチェアとテーブルが並べられている。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲タープ下に作られたマウンテンリサーチの“リサーチタワー”。

注目ブランドのイキキ(IKIKI)製シェルフコンテナは2段ずつ左右に配置して4セットをセッティング、オールドマウンテンの真空管オーディオシステムや、ブラックデザイン×ピノワークスのコラボチェアなど、幕内にも見事な世界が広がっている。

タープ下の空間にはマウンテンリサーチ製アナルコボールとウッドリッドを組み合わせた“リサーチタワー”も。ざぁ〜っスのヘキサテーブルはクル次郎ンドルとしゅう次郎。クル次郎ンドルは使用により表面に汚れが生じてきたため、ヌルテカ仕様にアップデート済みだ。

こうした素晴らしいキャンプ道具を愛でながら、久保さんは至福の時間を過ごすという。恐るべし、ギアマニアの世界……である。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲イキキのシェルフコンテナは耐荷重が30kgもあるため積み重ねても使用できる。さらにオプションのトップパネルで連結すればスタイリッシュなシェルフに早変わり。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲イナウトのジャストライトチェアをベースにサンセットクライマックス製シートを使って製作されたコラボチェア。ウォールナット材を使用したチェアフレームに引き裂き強度や耐久性に優れた生地を組み合わせた贅沢なモデル。オットマン付きで使用中!

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲久保さんの愛車であるトイファクトリー製キャンピングカー。

エセキャンパーさん|@chiaki2000go

▲ボディサイドを張り出させることで大人ふたりが車体に対して横になって寝られる様に設計されているため、一般的なキャンピンカーよりも車内が広く使えるのが特徴。

TATSUYA and CHIAKI KUBO
千葉県を拠点に全国のキャンプ場へ足を延ばしているという久保さん夫妻。愛車は車体全体をマットグレイでラッピングしたトイファクトリー製のキャンピングカー。所有するテントは30張り、タープだけでも15張りはあるという空前絶後のギアマニア。「エセキャンパー」というアカウントは、“キャンプよりもキャンプ道具が好きなだけ”という自虐的なネーミングだ。
Instagram @chiaki2000go

次ページでは久保さん夫妻の愛用品について、ご紹介していこう。

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