トレーラー車台の上に小屋を建築したモバイルハウスは、北海道のゆたかな自然を身近に体験できるように考えられたもの。“自由に移動できる小屋”のメリットを活かして、未利用ながらも絶景の楽しめる場所にパーキングさせ、普段味わえないようなアウトドア体験を利用者へ提供している。水周りも完備した清潔で快適な小屋は、女性や子どもと一緒に滞在しても安心できるため、ユニークなグランピング施設として注目を集めている。
2軸のトレーラー車台の上に6.0×2.5mの小屋を備え付けたモバイルハウスが、北海道中川郡本別町に本社を構える「KOYA.l ab(コヤラボ)」のサービス拠点だ。
「北海道には素晴らしい景観と豊かな自然に恵まれていながらも、有効利用されていない未利用の土地がたくさんあるんです。モバイルハウスなら、そうした土地に自由に移動させることができるし、お客さんには普段経験ができないような体験を味わってもらうことができる」と話すのは、同社代表の岡崎さん。
本業(建設業)の傍ら、以前からホテルを開業することを夢みていた岡崎さんは、モバイルハウスに興味を抱いていた建築士のビジネスパートナーと協業して、互いの夢を組み合わせる形で新業態の移動式グランピング施設を考案。2016年に独自のモバイルハウスを組み立てて、地元本別町で営業を開始した。
オリジナルで設計したモバイルハウスは冒頭で記したようにトレーラー車台の上に建築しており、木造に見えるが、躯体は鉄骨製。外壁も樹脂製のパネルを鎧張りにして仕上げたものだ。
内部にはホテルライクな温水洗浄機能付きの洋式水洗トイレやシャワーが備わるほか、ミニキッチンや冷蔵庫なども揃っている。コンパクトながらも充実した居室部は2層式になっており、上段は大人ふたりがゆっくりと就寝できるロフトスタイルのベッドになっている。手を伸ばせば届きそうな天窓からは満天の星を楽しめるそうだ。
また、屋外にはモバイルハウスと床レベルを合わせた広々としたウッドデッキも備わっており、絶景を堪能できるベストポジションには露天の五右衛門風呂も用意されている。
取材時は標高300 mの低山の山頂、「本別町新明台」と呼ばれるエリアにこのモバイルハイスが設置されており、眼下には足寄町の街並みが広がり、その先には雌阿寒岳・阿寒富士・雄阿寒岳などの名峰が連なっている素晴らしい景観を楽しめた。
冬季はマイナス30℃になることもあるそうだが、その分夏は涼しく朝夕は15℃前後。明け方には雲海が発生することも多いという。
営業は4月〜11月下旬まで。設置場所は本別町周辺の4ヶ所を中心に、お好みで十勝エリアの各市町村に移動可能だ。
移動式の小屋=モバイルハウスならではの利点を活かしたこの新サービスは、1泊2食付きで税込5万5000円(1棟4名まで)。ユニークな小屋の活用例に興味のある人は、「KOYA.lab」のWEBサイトから予約もできる。
コヤラボ|KOYA.lab | |
建築 | KOYA.lab |
外寸 | W2500×D6000×H3800mm(車台を含む) |
内寸 | W2320×D5820×H3620mm(車台を含む) |
床面積 | 18㎡(約10帖) |
基礎 | なし |
工期 | 要問い合わせ |
建築費用 | 850万円 (税込完成品価格 ※送料別) ※レンタルは1泊2食付きで1棟5万5000円 |
問い合わせ先 | KOYA.lab |
WEB | https://www.koya-lab.com |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2022
SOURCE|小屋 ちいさな家の豊かな暮らし Vol.7
Copyright © CLASSIX
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