史上最強! ゴリゴリの軍用車両で行く、ちょっと可愛い!? “ミリタリースタイル・キャンプ”

キャンパー図鑑

ハンヴィーは「HMMWV」と記す。 High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle=高機動多用途装輪車両の略であり、純軍用モデルとして1980年代から実践配備されている。現在は写真のM998から後継モデルのM1152などに移行されつつあり、現役を退役した車両の一部が民生用に売却される例もあるようだ。アメリカ連邦標準タンカラーでペイントされた車両は、縁あってM998を手に入れることができたというオーナーの、ちょっと変わったキャンプモービルである。

史上最強! ゴリゴリの米軍多目的装甲車で行く、ちょっと可愛い!? “ミリタリースタイル・キャンプ”

▲4座の幌モデルとなるハンヴィーM998。軍用車という特殊なモデルではあるが、意外にもメンテナンスに必要なパーツは入手可能。機関系もエンジンなどには市販モデルのパーツが使用できるそうだ。

フルオリジナルでも抜群の存在感を示す
軍用車両ならではの非日常的なデザイン

ご存知の方も多いと思うが、「HMMWV(ハンヴィー)」と「HUMMER(ハマー)」はよく似ているものの、成り立ちからして大きく異なる存在だ。

前者は軍用車を専門とするAMゼネラル社が1985年から生産を開始した軍用車両。一方のハマーは、AMゼネラル社から権利を取得したGM(ゼネラルモーターズ)が、1999年から展開を始めた民生用SUVブランドだ。

よく知られるハマー・H1は、ハンヴィーをベースに快適な装備を奢ったモデルであり、ハマーのイメージを牽引するモデルとしてポジショニングされていた。

ハマー・ブランドからは、後にSUVをベースにしたH2やH3などが追加ラインナップされ、かつては日本でも数多くの個体を目にすることができたが、これらはあくまでもハマーの冠モデルでしかない。

その後、GMの経営破綻などからハマー・ブランドは2010年を最後に終了したが、2021年にGMの展開するGMCブランドからEVのSUVとして名称が復活している。

冒頭で紹介した軍用車に話を戻すと、ハンヴィーはM998という4座のモデルが基本形となり、使用目的に合わせて発展・派生した特殊車両が用意された。

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▲コンパクトながらも車体後部には荷台もある。キャンプの際は軍払い下げのコンテナを使ってキャンプ道具を運搬する。

装甲装備や銃座で武装した車両も当然多く、クローズドモデルは装甲車として扱われている。このためアメリカからの輸出は規制されており、ごく稀ではあるが4座の幌モデルが日本の民間市場で目にすることができる。

いずれにしても軍用車両であることから、装備は極めてシンプルだが、ミリタリーマニフルストックでも抜群の存在感を示す軍用車両ならではの非日常的なデザインは、マニアにとって食指の動く一台であることは間違いない。

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▲写真手前のスペースはセンタートンネルで、後輪を駆動させるためのドライブシャフトが走っている。通常の市販車であればもっと下に配置されるが、床下をフラットにし、外部からの攻撃でドライブトレーンを破壊しにくくする目的などから、ドライブシャフトがキャビン側に張り出している。

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▲後部座席のタクティカルなエプロンはオーナーである北野さんのDIY作品。モールシステムを使い、小物の収納場所として利用している。

ハマーH1よりもストイックな純軍用車
ハンヴィーM998で楽しむキャンプ仕様

ここで紹介するクルマは、愛媛県新居浜市を拠点とするガレージブランド「CAMPOOPARTS(以下キャンプオーパーツ)」の代表を務める北野さんが、昨年(2022年)に縁あって手に入れることができたというM998の幌モデルだ。

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▲仕入れ先でたまたま実車を目の前にした時に、無駄が一切ないデザインとスパルタンな鉄板の内装に惹かれて、迷わず車両を購入したというハンヴィーM998。

もともとミリタリーテイストをキャンプグッズに取り込むことを得意としていた北野さんは、市内に設けた店舗でも軍払い下げ品を取り扱っている。

仕入れ先でたまたまM998の実車を目の前にした時に、無駄が一切ないデザインとスパルタンな鉄板の内装に惹かれて、迷わず車両を購入したという。

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▲グッドイヤー・ラングラーMT(37×12.5R16)という特殊サイズのタイヤ。砂地などの走行時にタイヤの空気圧を車内から変更できるCTISは取り外している。

「現代のクルマからは感じられない機械としての塊感や、非日常的な空間がモノづくりをする時にインスピレーションを与えてくれます」と語り、今ではこのクルマを使ってキャンプに行くことも多い。

もっとも、全幅こそ2mを超えるが、全長は4.3mしかなく意外にもトヨタ・RAV4なみ。ステアリングもよく切れることから、取り回しではあまり不便さを感じないという。しかも、ATでパワーステアリング付きだから運転も支障なし。

車体後部には小さいながらも荷台も付いており、夏はパックラフトを積み込んで水遊びも。突然やってきた軍用車に水辺の雰囲気は一変するそうだが、そんな周りの変化も北野さんにとってはお楽しみのひとつである。

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▲タープ下の空間にも「キャンプオーパーツ」のオリジナル品が数多く配置されている。挿し色を加えたり、木製品を加えたりすることで、ハードになりすぎないように微調整している。

挿し色を足してソフトに仕立てる
独自のミリタリースタイル・キャンプ

「キャンプオーパーツ」の北野さんは、大阪や香川で学生時代を過ごし、親族の事業を継承するために愛媛県へ移住。自然にかこまれた環境でキャンプを楽しむにうちに、自分が欲しいと思ったギアを作りはじめたことがブランド立ち上げのきっかけになったという。

そのキャンプスタイルはオリジナルブランドのギア類と軍モノを適度にミックスしたものだが、ゴリゴリのミリタリーテイストでは「ハードになりすぎる」ということで、装備品には独自の工夫を付け加えている。

「軍モノが好きだから、キャンプにも使うことが多いんですけど、どうしてもハードな印象になっちゃう。狙っているのは軍モノを使っていても、思わず笑っちゃうようなちょっと外した感じのスタイル。あえていうなら、“可愛い系ミリタリー”」と北野さんは語る。

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▲テントは「パジャマムーン」のオリジナルであるリトルウイング3をベースに、「キャンプオーパーツ」らしいデザイン&カラーで仕立てたモデル。写真はテスト品。

「蒸しぇら」や「バイオエタノールTENT暖炉」など、独自のアイデアで生み出したユニークなギア類を企画・製作する一方で、プライベートではミリタリー系のアイテムを数多く取り入れるほど、根っからの軍モノ好き。

新居浜市内にあるキャンプオーパーツ直営店でも払い下げ品を取り扱っているほどの軍モノ好きだが、北野さんが狙っているのは前述した言葉通り、思わずクスっと笑ってしまうようなミリタリーアイテムの使い方だ。

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▲焚き火コーナーはリニューアルしたばかりの66焚き火台ネイティブを中央に配置。焚き火サイドには大小のC型テーブル・ブーメランを配置し、ちょっとした小物や焚き火ギアの置き場所として使用している。

思わずクスっと笑ってしまう、大袈裟すぎるキャンプギア

昨年リリースした「バレルバーナーカバー」はガストーチの先端部を機関銃のサイレンサーのように見立てたパーツに交換して使用するというものだが、その物々しいスタイルのガストーチで薪に火を着けると、大袈裟すぎる装備に“クスっ”と笑ってしまう人が多いという。

史上最強! ゴリゴリの米軍多目的装甲車で行く、ちょっと可愛い!? “ミリタリースタイル・キャンプ”

▲高知の「オーチョキャンプ」が手がけるフロンティア別注モデルのパックラフト。仁淀川を中心に、水辺で楽しむアクティビティのひとつとして昨年購入したもの。

愛車であるハンヴィーこと「HMMWV M998」も、ある意味“洒落” で買った一台。本物の軍用車両だが、北野さんはこのクルマにカヤックやパックラフトを積んでキャンプだけでなく、水遊びのトランスポーターとしても使用している。

水辺にやってきた軍用車に誰もが一瞬ハッとするが、荷台からカヤックを下ろし始めるととたんに周囲が笑顔に変わるそうだから、ハンヴィーもまた北野さんの狙い通りの役目を演じてくれているようだ。

取材時もキャンプサイトにはそのハンヴィーをパーキング。クルマから愛用品を下ろして手際よくキャンプサイトを設営してくれたが、やはりハードなイメージになりすぎないようにテントやタープには工夫を凝らしていた。

「まだ試作品なんですが、テントやタープはパジャマムーンさんとのコラボモデル。ミリタリーグリーン×キャメルのツートーンカラーにすることで、軍幕のようなヘヴィーデューティさを排除し、ちょっと可愛く仕上げました」と北野さんは語る。

本物のミリタリーアイテムを使いながらも、ゴリゴリにはしたくない。あくまでもソフトにまとめ、できればクスっと笑ってもらえるように仕立てたい……。

北野さんのキャンプスタイルは、よく見ないとその狙いを見抜けないほど、微妙な世界観の中で完成している。

Camper:Tomoaki Kitano
史上最強! ゴリゴリの米軍多目的装甲車で行く、ちょっと可愛い!? “ミリタリースタイル・キャンプ”愛媛県新居浜市を拠点にオーダーキッチンなどを手掛ける他、趣味が高じてはじめたキャンプ用品ブランド「CAMP OOPARTS(キャンプオーパーツ)」も主宰。ブランド名は、本来そこにあるべきでない場違いな人工物を意味する英語のOOPARTSを由来としている。
Instagram: @campooparts

次ページでは北野さんの愛用品について、ご紹介していこう。

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