略称の「レイ(REI)」で知られる「レクリエーショナル・イクイップメント・インコーポレイテッド」は、全米35州とワシントンDCに154店舗を展開し、1万3000人の従業員が働くコープ(消費者協同組合)型のアウトドア用品店だ。
アウトドアのスポーツやアクティビティを楽しむために必要な道具や装備はほぼカバーしており、モダンかつスタイリッシュなフロアデザインを持つ店舗も多い。独自に開発されている自社ブランド製品は、高機能・高品質かつリーズナブルな価格が特長だ。
「レイ」のユニークな点は、会員制のショップであり、アウトドアに向き合うその企業姿勢である。 20ドル払って終身会員になると、毎年、年間購入額の1割程度が“配当金”として会員に還元されるのだ。会員はそれを商品の購入代金に充てることもできるし、使わなかった残高は有効期限内であれば現金にも換金できる。各種の割引が受けられるほか、ガレージセールへの招待といった特典も用意されている。現在の会員数は1800万人を超える。
また、自然環境保護活動や都市周辺・郊外エリアにおけるアウトドアレクリエーション施設の整備など400件を超える非営利団体・事業への投資も行っている。アウトドア用品のレンタルや中古品の販売も、リサイクルで廃棄物・ゴミを削減しようという活動の一環だ。
1938年にロイドとメアリーのアンダーソン夫妻が登山用品ショップとしてワシントン州シアトルで開業したのが「レイ」の始まりだ。当時、高品質なオーストリア製のピッケルは20ドルという相当高価なものだったこともあり、ロイドは、ドイツ語ができるメアリーにカタログを翻訳してもらい、直接オーストリアから取り寄せることにした。その結果、郵送代も含めて1本3.5ドルという価格で手に入れることができた。
この話を聞きつけたロイドの登山仲間は、高品質な登山用品が手に入るなら自分たちも投資したいと申し出てきた。もっと多くの人に質の高いギアを適切な価格で提供したいと考えていたアンダーソン夫妻は他の仲間にも投資を呼びかけ、21人の冒険家たちといっしょに協同組合を設立。全員が1ドルを払って終身会員となった。
最初の販売店舗は、地元の日用雑貨店の片隅に置かれた棚ひとつというものだった。 それ以来、店舗数も従業員も増え、取り扱い商品や売り上げ金額の桁数も増えたが、アンダーソン夫妻が21人の仲間と決めた、会員の利益や利便を最優先するという協同組合としてのミッションは変わっていない。
レクリエーショナル・イクイップメント・インコーポレイテッドとは?
1938年にロイドとメアリーのアンダーソン夫妻が登山用品ショップとしてワシントン州シアトルで開業したのが始まり。現在は全米中に150店舗以上を展開する総合アウトドア用品店として知られている。通信販売事業にも積極的で、日本へのシッピングもしてれくれる。このため英語さえできれば、手軽に海外のアウトドア製品を購入できるとして、日本でも人気となっている。
レクリエーショナル・イクイップメント・インコーポレイテッド(REI co-op) | |
WEBサイト | https://www.rei.com/ |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|OSAMU HONMA
PUBLISHED|2019
SOURCE|CAMP GOODS MAGAZINE vol.08
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