バスプロショップ（アメリカ）｜まるで巨大なテーマパーク!?　全米最大級のアウトドアショップ

「バスプロショップ・アウトドアワールド（Bass Pro Shops Outdoor World）」は、釣り具から狩猟用品、銃器、ボート、ゴルフ用品、アパレルまで、巨大な売り場面積を持つアウトドア用品の小売店。北米・カナダに171店舗を展開し、従業員は4万人、年間の来店者数は全店舗合計で２億人を超えるというマンモスチェーンだ。

父親が営んでいたミズーリ州スプリングフィールドの酒屋の裏にあった１平米にも満たない小さなスペース。創業者で現社長のジョニー・モリスが、そこで1972年に始めた釣り具の販売が「バスプロショップ（Bass Pro Shops）」の原点だ。

当時まだ21歳だったジョニーは、釣りや狩猟が趣味という両親のもとで育った根っからのアングラーだった。その釣りへの情熱が今日の大成功をもたらしたのだ。

各店舗では地域に合わせた商品レイアウトや店内ディスプレイが行われている。2階建ての大型店舗であるデンバー店では、1階中央の大型水槽を中心にグリズリーやエルク、アライグマなどコロラドに生息する大小200頭もの野生動物の剥製が飾られ、ワイルドな臨場感を生み出している。

それを取り囲むようにアパレルフロアがあり、その横ではボートにモーターと運搬用トレイラーをセットにした「トラッカー」をはじめとするプレジャーボートやATV（全地形対応車）といった大型商品までもが展示販売されている。2階はキャンプ用品、狩猟用具、銃器などの販売フロアで、射撃ゲームのコーナーもある。

店舗によっては、ボーリング場、ギフトショップ、実弾射撃場があり、理髪店や旅行代理店まであるなど、丸一日過ごしても飽き足らないほどのワンストップ・ショッピングを提供している。　オリジナルブランドやプレジャーボートの製造販売、大手ブランドとの提携など、多角的な事業展開を進める「バスプロショップ」はリゾート施設の運営も手がけている。　本社が立地するミズーリ州には「バスプロショップ」第1号店に隣接する「アングラーズ・ロッジ」、釣りやボート、ゴルフなどの各種アウトドアを楽しむことができる「ビッグ・セダー・ロッジ」がある。

テネシー州メンフィスのミシシッピ川沿いに建つピラミッド型の店舗は100以上の客室を備えた「ビッグ・サイブレス・ロッジ」や海をデザインしたボーリング場などを備え、アウトドアショップというより、テーマパークの様相さえ呈している。

2017年には、ディック・カベラが1961年に創業したアウトドアアパレルと用品の販売チェーン「カベラ」を吸収合併するなど、今後の動きからも目が離せない。機会があれば、ぜひ一度、その巨大なアウトドアワールドを体験してみてほしい。

バスプロショップとは？
1972年にミズーリ州スプリングフィールドで創業、現在では全米に170店舗以上を展開する巨大なアウトドアの総合用品店。店内はまるでテーマパークのようで、キャンプ用品はもちろん、銃器やボートなど、大小様々な製品が展示・販売されている。

PHOTO｜KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT｜OSAMU HONMA
PUBLISHED｜2019
SOURCE｜CAMP GOODS MAGAZINE vol.08

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