ゆったりとした流れに身を託す
四万十川のダウンリバーと野趣にあふれたキャンプアウト
汗ばむ季節になると、数多くのキャンパーの頭をよぎるのが涼しい水辺でのキャンプだろう。もっとも昨今のキャンプ場は気温の上昇と共に利用者も増える一方となるため、仮に水辺のロケーションを確保できたとしても快適に過ごせるかどうかはわからない。
その点、四万十川の川辺で楽しむキャンプは、見渡す限り他には誰もいない、自然を独占したかのような夜を楽しめる。
今回ダウンリバーの移動手段として利用したのは「オーチョキャンプ」が特注した“日本仕様”ともいえるパックラフトだ。
パックラフトはその名の如く収納時はバックパックに収まるほどコンパクトに収まるインフレータブルボート。ダウンリバーのスタート地点となる川原に到着したら、掌におさまるほど小さなエアーコンプレッサーで空気を送風すれば、数分を待たずに見事な船体が完成する。
重量は3〜4kgだから、力もいらない。女性や子どもでも完成した船体を軽々と持ち運べるのが大きな特徴だ。
「オーチョキャンプ」の推奨するタイジップジッパー装着モデルなら、空気を入れて膨らませる船体チューブ内に荷物を収納できるため、高い積載性能も発揮される。密封されたチューブ内に荷物を入れて持ち運べるため、水濡れを嫌うテントやシュラフ、着替えに精密機器などの運搬にも重宝する。ギアにこだわるキャンパーが愛用の道具類をたっぷりと持ち込んでも、パックラフトなら問題ないだろう。
パックラフトに乗り込んだら、あとは水の流れに身を委ねるだけだ。川面から見上げる空はいつもと全く違う表情を見せる。水上から眺める四万十川の大自然は、ダウンリバーでしか見ることのできないものだ。
川原でのキャンプもまた新鮮な体験になるに違いない。光害の少ない四万十川下流域は、日が暮れるとあっと間に闇夜に包まれる。日が沈む前に川原で拾い集めた流木の数々に火を点け、焚き火を囲みながら夜が更けていくのを楽しむのだ。
四万十川を下った三人の旅人
写真右から順に西奥起一さん、清岡 繁さん、後藤直温さん。京都生まれの大阪育ちという「オーチョキャンプ」代表の西奥さん。高知県へ移住して早くも14年目。四万⼗川は学生時代から訪れていた場所であり、バックパックや自転車旅行などで何度も訪れていたそうだ。後藤さんと清岡さんは、その西奥さんが代表を務める「オーチョキャンプ」でパックラフトを購入して以来、⼀緒に川旅を楽しむようになった。登山を趣味にするふたりに、「逆に教えてもらうことも多いんですよ」と西奥さん。
ROUTE MAP
▲上記の地図はパックラフトで下った四万十川の側道を記したもの。
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