「瀬戸内海の森キャンプ場」は「せとないかいのもり」と読むそうだ。手付かずの1万坪という土地を開拓し、美しい芝生を敷いた絶景のローケーション。2021年10月にオープンしたばかりという新しいキャンプ場だが、早くも地元のキャンパーたちから注目を浴びる存在となっている。

▲「瀬戸内海の森キャンプ場」は雪がほとんど降らない瀬戸内市に位置するが、冬期は風が強いことからキャンプ場はクローズ。3月中旬から12月末までのシーズン営業となっている。キャンプサイトからは左手の方に小豆島が見える(写真には写っていない)。
瀬戸内海に突き出た1万坪という未開の土地を取得したことがきっかけとなり、鬱蒼とした森を開墾、木を伐採して道を作り、土を盛って地面を均し、そこに芝生を張るなど、手作りで整備を進めてきたキャンプ場が「瀬戸内海の森キャンプ場」だ。
さぞや大変な思いをしてここまで整備を進めてきたのかと想像されるが、じつはこのキャンプ場は土木・建築関連の会社が運営しており、こうしうた作業は慣れたもの。手間がかかるのは一緒だが、その出来栄えは素人の手作りとはレベルが違う。

▲半島の周囲は森に囲まれており、人家もないエリアにあるだけに、光害もなく夜は星空が美しいそうだ。写真の右側、岬の先端部に写っている工事中の森が拡張中のキャンプサイト。
1万坪敷地の内、2023年シーズンで利用できるのは「海がわサイト」「森がわサイト」「デイキャンプサイト」の3エリアのみで、定員は合計7組。海沿いのいわゆるオーシャンフロントに位置する「海がわサイト」は一段下がった位置にあり車両乗り入れ不可という3組限定のフリーサイト。一段上にある「森がわサイト」は車両乗り入れ・オートキャンプが可能な定員3組のフリーサイト。場内で一番高い位置にあるのが1組限定の「デイキャンプサイト」だ。
敷地全体の高低差はあまりなく、上り下りを意識するような勾配はないが、それでもサイトごとに適度に高さが変えられているため他エリアのキャンパーと視線が交わることが少なく、瀬戸内海の眺望も邪魔しないなど、キャンプエリアは上手に工夫されている。

▲「森がわサイト」の右端から見た視界。正面に小豆島が見える。「森がわサイト」は車両乗り入れやオートキャンプもOK。直火用の炉も用意されている。
共用設備は炊事棟、トイレ棟、ハット(多目的小屋)、シャワー&露天風呂の4つ。取材時は工事前だったが、炊事棟は今シーズンより給湯も完備する。トイレは場所柄簡易水洗だが、清掃の行き届いた清潔感のあるスペース。多目的小屋は荒天時の避難スペースも兼ねている。
注目したいのは予約制(無料)の露天風呂だろう。シャワー設備付きのお風呂は家族単位で入れるちょっと大きめの浴槽を使ったもので、一度に大人2人程度まで浸かれる浴槽が瀬戸内海に向かって設置されている。カーテンも付いているので、適時開け閉めをすれば女性でも安心して利用できる。
現在は未開拓だった岬や海岸部の整備も進めており、キャンプサイトは少しずつ拡張される予定だ。

▲海側サイトは写真の炊事棟の裏側に位置している。車両は森の手前に停める。他サイトからの眺望を遮らない様な配慮でもある。

▲炊事棟からトイレ棟、「デイキャンプサイト」の方を向いた写真。それぞれのサイトの高低差は1m程度だ。

▲炊事棟は「海がわサイト」と「山がわサイト」の間に設置されている。

▲炊事棟には給湯設備も準備中で近々に利用できる様になる見込みだ。

▲「ハット(HUT)」と呼ばれる多目的スペース。

▲「ハット(HUT)」の内部には2段ベッドや薪ストーブも用意されている。

▲園路に沿って入場すると、左手に管理棟が見えてくる。キャンプの受付は管理棟で。

▲キャンプサイトは基本的に芝が張ってある。風の強い海沿いのため、ペグは長めの金属製を用意した方がいいだ
ろう。

▲薪でお湯を沸かす露天風呂。大きめのバスタブには一度に2名程度が入浴できそうだ。シャワーも完備。予約制で利用は無料。

▲男女別のトイレ棟。個室には洋式水洗トイレが設置されている。

▲一段高いところに位置した「デイキャンプサイト」をドローンで上空から撮影した写真。サイト全体が少し高い位置にあり、木柵で仕切られている。日帰り専用で、定員1組まで利用可能。

▲「デイキャンプサイト」からの瀬戸内海を向いた視界。こちらからも正面に小豆島と海を望める。

▲「森がわサイト」を瀬戸内海側に向けて高い位置からドローンで撮影した写真。正面に小豆島の島影が見える。

▲「海がわサイト」は定員3組まで利用できる。車両乗り入れは不可。クルマは園路の端に専用の駐車スペースがある。段差の関係で途中は傾斜地になっているが、テントを設営する部分はフラットだ。

▲「森がわサイト」の中央には直火を楽しめ「炉」が用意されており、焚き火台などがなくても焚き火を楽しめる。

▲「森がわサイト」を陸地側に向けてドローンで撮影したもの。車両の場合は写真手前側からサイト内へ入場する。

▲「瀬戸内海の森キャンプ場」上空から撮影した写真。写真の上の方が現在拡張中の岬。
VIEW|景観
正面に見えるのは小豆島! 瀬戸内海へ突き出た半島からは、眺望の開けた素晴らしい景観が堪能できる。キャンプサイトはなだらかな2層式で、海側は一段低くなっているため、どちらに陣取っても瀬戸内海が目に入る。
FOOD and DRINK|食料・飲料
最寄りのコンビニはキャンプ場からみて西側に1軒ある。片道約9km(クルマで約16分)。日中なら少し手前に「道の駅一本松展望園」(約6km・同13分)があり、農産物・海産物が手に入る。食事も可能だ。
ACCESS|交通
「瀬戸内海の森キャンプ場」はアクセスルートの選択が非常に重要だ。ナビのアナウンスのまま向かうと大変なことになる。特にGoogle Mapを使っている人は経由地として「道の駅一本松展望園」を設定し、西側からキャンプ場へアクセスする必要がある。大阪方面からの場合、ナビの最短ルートは岡山ブルーライン・虫明ICから県道225号・虫明長浜線を案内するが、この東側から向かうルートは幅員が非常に狭く危険。軽トラックがなんとか1台通れる程度でしかない。四輪車で走るのは無謀ともいえるルートだ。詳細は「瀬戸内海の森キャンプ場」のWEBサイトで確認してほしい。
ADVICE|ひとことアドバイス
キャンプ場に向かうアクセスルートの選択を間違えると大変なことになるので、上記の「ACCESS|交通」をよく確認しよう。
瀬戸内海の森キャンプ場|SETONAIKAI NO MORI CAMPFIELD | |
営業期間 | 3月中旬〜12月末 |
定休日 | なし |
サイト数 | フリーサイト:定員7組 |
所在地 | 〒701-4502 岡山県瀬戸内市邑久町福谷5186 |
予約方法 | 電話、WEB |
チェックイン | 14:00〜 |
チェックアウト | 〜12:00 |
地面 | 芝生 |
参考料金 | 5000円(大人2名利用時の税込合計料金) |
電話番号 | 090-8711-3519 |
WEBサイト | https://www.setouchi-camp.jp |
備考 | ※車両搬入・オートキャンプは森側サイトのみ ※直火は指定された炉のみ |
設備 | |||||
区画サイト | フリーサイト | AC電源 | 車両搬入 | オートキャンプ | 簡易宿泊棟 |
× | ◯ | × | ◯ | ◯ | × |
水回り付宿泊棟 | ペット | ドッグラン | 焚き火 | 直火 | 炊事場 |
× | ◯ | × | ◯ | ◯(指定の炉のみ) | ◯ |
給湯 | ゴミ捨て | コインシャワー | 風呂 | 洋式水洗トイレ | 洗浄機能付き便座 |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
BBQ設備 | 洗濯機 | 乾燥機 | 自販機 | 管理棟 | 24時間管理 |
× | × | × | × | ◯ | × |
売店 | Wi-Fi | レストラン | レンタル | ||
◯ | × | × | ◯ |
注意 | 営業内容は変更されている場合があります。詳細は各施設に直接お問い合わせください。 |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|Camp Goods Magazine vol.30
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