ウシ空のキャンプ場(北海道)|見渡す限り360度の大パノラマ

北海道

中標津町のランドマークとして親しまれている「開陽台」は、標高270mの丘の上にある展望スポットだ。展望台からは、まるで“緑の絨毯”のような牧草地が視界いっぱいに広がる牧歌的な風景が望める。「ウシ空のキャンプ場」は、そんな絶景が楽しめる丘の上に広がるちいさなキャンプサイトである。

ウシ空のキャンプ場(北海道)

「ウシ空のキャンプ場」は標高270mという丘の上、開陽台展望台に隣接したキャンプ場だ。元々はこの地を訪れたモーターサイクリストたちが空き地に車両を止めて野営しはじめたのが発祥だという。2015年からはなかしべつ観光協会の公認を受け、改めて「ウシ空のキャンプ場」として無料開放されている。

 

中標津町・開陽台といえば、北海道ツーリングを楽しむモーターサイクリストにとって、一度は訪れてみたい人気スポットのひとつだ。標高270mという丘の上に立つ展望台からは、文字通り360度の大パノラマが見渡せる。

眼下には壮大な開陽台牧場が広がり、約1000頭もの乳牛がのんびりと草を食んでいる。周辺には5kmもの直線が続くミルクロードや、小麦やとうもろこしを栽培する大規模農業地帯もある。まさにイメージ通りの北海道の景観を堪能できる場所だ。

「ウシ空のキャンプ場」は、その開陽台展望台に隣接する無料のキャンプ場。長らく「開陽台キャンプ場」という通称が使われてきたが、2015年に「ウシ空のキャンプ場」と名付けられ、以降は観光協会公認のキャンプサイトとして無料開放されている。

もっとも現在もナビソフトなどでは「開陽台キャンプ場」と表示されることがあるようだ。 もうひとつ、注意したいのはこのキャンプ場は荷物の搬入が非常に大変だということだ。

キャンプ場へは自動車の乗り入れが不可となっており、展望台駐車場に車両を止め、そこから徒歩で100mほどある階段を上ってキャンプ場まで荷物を運ぶ必要がある。階段であるためカートも利用できない。

もちろん、この“荷物の搬入”というハードルを覚悟の上で利用するには何ら問題がない。キャンプサイトそのものはまるで牧場の一角かのような美しい景観であり、地面は短く刈られた牧草。2段になったサイトはどこを使っても構わないフリーサイトになっている。

共用施設は露天の洗い場(蛇口が4つほどある水道と流しのみ)とトイレのみ。展望台の営業時間中は施設内のトイレが使用できるが、夜間は200m下った展望台駐車場のトイレ棟まで歩く必要がある。

こうしたいくつかの不便を覚悟の上で利用することになるが、「ウシ空のキャンプ場」はそれでも一度は訪れるだけの価値がある。特に晴れた日の夜は、まるで天然のプラネタリウムのような満天の星が広がる。

ウシ空のキャンプ場(北海道)

キャンプサイトは上段・下段の階段状になっている。市街地からはかなり距離があるため、周囲には光害もなく、美しい星空が楽しめる。定員は設定されていないが、編集部目測ではソロキャンパー20〜30組が限度だろう。地面は周囲の牧場と同じ牧草で、水平レベルも問題ない。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

開陽台展望台には身障者が展望台を利用する際に使用する関係者用の未舗装車道(写真左)、オートバイが1台通過できる獣道のような専用アクセス路(写真中央)があるが、どちらもオートキャンパーは利用できない。オートキャンパーや、ほかの一般来場者は100mほどの階段を利用する(写真右)。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

中標津の大パノラマを楽しめる展望台は無料。中標津の牧場や大規模耕作地が見渡せる。展望台から眺める360度に広がる眺望は、北海道でもほかではなかなか見られないだろう。空気が澄んでいる日は、国後島や野付半島まで見渡せるそうだ。内部にはカフェ(営業は水~日曜日10:00~17:00、月曜日10:00~15:00 ※10月は16:00で閉店)や売店、トイレがある。

ウシ空のキャンプ場(北海道)

キャンプ場から100mほど離れた展望台駐車場には24時間利用できるトイレ(男女別・洋式水洗)がある。展望台の営業終了後はこちらのトイレ棟まで歩かねばならないので、夜はちょっと大変だ。手洗い場もある。

ウシ空のキャンプ場(北海道)

開陽台展望台は最上部が展望スペースとなっている。展望台が営業している間は2階にある展望回廊も利用できる。展望台内部にはトイレや売店、軽食を楽しめる「カフェ・カイヨウダイ」もある。ソフトクリームやジェラード、ドーナツが人気だ。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

4月下旬から10月末まで(午前10時から午後5時30分まで)開放されている開陽台展望台。駐車場は60台分(乗用車)が用意されている。

ウシ空のキャンプ場(北海道)

南西側に広がるのは町営の「開陽台牧場」だ。なんと東京ドーム100個分という広大な敷地に約1000頭の乳牛が放牧されている。開陽台展望台駐車場からは、この牧場を中心に2.6kmの遊歩道も整備されている。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

屋根のない洗い場は蛇口が4つとステンレス製の流しのみ。24時間利用できる。飲用も可能だ。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

展望台駐車場には遊歩道への入口も設けられている。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

キャンプ場にはゴミの回収箱も設置されている。周囲の野生動物を引き寄せないためにも、生ゴミなどは持ち帰るよう努力しよう(展望館冬季休館期間中は回収不可のため、ゴミは持ち帰り)。

 

ウシ空のキャンプ場(北海道)

一般来場者とオートキャンパーは写真のなだらかな階段を上って展望台へとアクセスする。

 

VIEW|景観
中標津の大草原(実際には牧場)を一望する展望台に隣接したキャンプ場。キャンプサイトに立木などはなく、場内は周囲の牧場がそのままキャンプサイトになったかのような開放感のあるスペースだ。

FOOD & DRINK|食料・飲料
飲料・食料の調達ができるのは中標津町内となる。最寄りのコンビニは約13〜15km(クルマで約15〜20分)圏内に複数ある。スーパーも同じだが、特に約14km(同約18分)の距離にある「東武サウスヒルズ」は量・種類共に都心部と変わらない品揃えだ。

ACCESS|交通
周辺に高速道路は通っていない。中標津空港からは約10.5km(クルマで約13分)。帯広市内から3時間半、根室や網走市内からでも1時間30分以上かかる。

ADVICE|ひとことアドバイス
オートキャンプ、車両搬入共に構造上無理なキャンプ場。オートバイのみ進入可。多少の苦労は伴うが、ロケーションは素晴らしい。

ウシ空のキャンプ場|USHISORA-NO CAMP GROUND
営業期間通年(展望館は4月下旬~10月下旬)
定休日なし(展望館は火曜日休館、11月~4月下旬は冬季休館)
サイト数フリーサイト:定員約30組(※編集部目測)
所在地〒086-1273 北海道標津郡中標津町字俣落2256-17
予約方法予約不要
チェックイン設定なし
チェックアウト設定なし
地面芝生・草
参考料金無料
電話番号0153-73-3111(中標津町役場経済振興課)
WEBサイトなし
設備
区画サイトフリーサイトAC電源車両搬入オートキャンプ簡易宿泊棟
×××××
水回り付宿泊棟ペットドッグラン焚き火直火炊事場
×××
給湯ゴミ捨てコイン
シャワー
風呂・温泉洋式水洗トイレ洗浄機能
付き便座
××××
BBQ設備洗濯機乾燥機自販機管理棟24時間管理
×××××
売店Wi-Fiレストランレンタル
××

注意営業内容は変更されている場合がございます。詳細は各施設に直接お問い合わせください。

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2022
SOURCE|全国キャンプ場ガイドブック 2022-2023
UPDATE|2023年6月

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