オンネトー国設野営場(北海道)|原生林に囲まれた上級者向けの野営場

北海道

阿寒摩周国立公園の一角、“神秘の湖”と呼ばれる「オンネトー」の湖畔に広がるのが「オンネトー国設野営場」だ。手付かずの原生林に囲まれた中~上級者向けの野営場だが、湖の周囲は紅葉の名所としても知られており、ハイシーズンには数多くの観光客で賑わう。3kmほど離れた場所にある個性的な硫黄泉を楽しめる湯宿も人気の要因である。

 

オンネトー国設野営場(北海道)

奥側にある、水辺にもっとも近く、フラットで開けたスペース。周囲には丸太を切って作った腰掛けが転がっている。管理棟では丸太を切って作ったスウェーデントーチと焚き火用の炉(焚き火台)の貸し出しも行っている。

五色とも、または七色にも変化するといわれる神秘の湖「オンネトー」。その語源は、北海道の先住民族であるアイヌの言葉で“年老いた沼”“大きな沼”を意味するそうだ。

湖のある一帯は日本百名山のひとつ雌阿寒岳の麓、阿寒摩周国立公園に属しており、湖の周囲は約2.5km。季節や天候、見る角度などにより、澄んだ青やエメラルドグリーン、紺碧などに色が変わって見えることから、“神秘の湖”とも呼ばれている。その美しさと原生の魅力から、数多くの観光客を惹きつけてきた。

毎年6月から10月末まで開場される「国設野営場」は、その「オンネトー」の南東岸にあり、雌阿寒岳(標高1499m)や、阿寒富士(標高1476m)を登山するハイカーたちの拠点にもなっている。

周囲は火山帯であることから温泉も豊富で、野営場から3kmほど離れた秘湯「野中温泉」では、強烈な硫黄臭を放つ天然温泉も楽しめる。キャンパーだけでなく温泉好きにもおすすめできる場所だ。

もっとも、「オンネトー国設野営場」は、あくまでも上級者向けの施設といえる。場内には炊事場(水道と流し)と水洗式のトイレを備えた管理棟があるのみ。携帯電話の電波は一切届かず、夜間の照明もほとんどない。車両の乗り入れも出来ないため、駐車場からカートなどを使って荷物を搬入する必要がある。荷物が多いキャンパーはちょっと大変だ。

野営場は入口から奥に向かいなだらかな傾斜がついており、湖に近い奥側に1ヶ所だけ開けたスペースがある。水際への設営は禁止されているが、縄で区切られた野営場の敷地内であれば自由にテントを設営できる。

オンネトー国設野営場(北海道)

ログハウス風の旧管理棟。男女別のトイレも完備しており、個室はすべて水洗式・洋式となっている。トイレットパーパーは用意されているが、ハイシーズンは持参するのが賢明だ。現在はUPIオンネトーが受付となっている。

ただし、自然地形そのままであることからフラットな場所は限られ、大きなテントやタープを設営するには向かない。利用者の多くもソロやデュオなどが中心だという。

野営場の標高は約650m。夏でも寒暖の差が大きく、気温30℃の日もあれば、朝晩に冷え込むこともあるそうだ。真夏でも上着などの装備はしっかり準備して利用しよう。

オンネトー国設野営場(北海道)

野営場内からは湖畔に出るアクセス路が数カ所用意されている。ただただ眺めているだけでも心が洗われるような風景だ。

オンネトー国設野営場(北海道)

キャンプサイトは自然地形のままとなっていることから、地面は水平でない場所が多い。一部には写真のようなテント床もある。水辺からは少し離れるが木々の間から湖面を望める。

オンネトー国設野営場(北海道)

「オンネトー野営場」へのアクセスルート上にある「山の宿 野中温泉」では、硫化水素臭の強い硫黄泉が楽しめる。洗い場はなく、内湯と露天風呂の湯船のみ。日帰り入浴は大人1名400円(子どもは200円)。10:00(露天風呂は11:00)〜18:00まで利用可能。宿泊もできる。

オンネトー国設野営場(北海道)

森の斜面にも所々にスペースがあるが、テントの設営にはやや狭い。木のテーブルやベンチは固定されているが、ウッドデッキは自由に動かしていいそうだ。

オンネトー国設野営場(北海道)

炊事棟は1ヶ所のみ。ごみ処理や分別方法については管理人に聞いておこう

オンネトー国設野営場(北海道)

場内中段にある東家。野営場はなだらかな傾斜地にあり、フラットなスペースは少ない。

オンネトー国設野営場(北海道)

野生動物の宝庫でもあることから、滞在中は食料やゴミの管理は徹底しよう。食料やゴミは車内など、テントから距離を離した場所に保管したい。

オンネトー国設野営場(北海道)

水道と流しのみというシンプルな炊事棟。水はミネラル分が多いため飲用不可となっている。中性洗剤の使用は可。油や生ゴミは流せない。

VIEW|景観
阿寒摩周国立公園内にある周囲2.5kmの湖「オンネトー」の湖畔に設けられた国設の野営場。キャンプサイトは森の中に広がる林間サイト。水辺にはテントが設営できず、木々の合間から湖を望む。

FOOD &DRINK|食料・飲料
周囲は山に囲まれており食料・飲料の調達は困難だ。最寄りのコンビニはキャンプ場から東側にあたる阿寒湖温泉街にあり、約19km(クルマで約25分)。スーパーは逆方向の西側にあたる足寄町内に数件ある(約46km、同約60分)。

ACCESS|交通
帯広方面からの場合、北海道横断自動車道・足寄ICから約50km(クルマで約60分)。帯広市内からは約120km(同約120分)だ。足寄町からは国道241号を使う一本道になる。

ADVICE|ひとことアドバイス
ほとんどのキャリアが携帯圏外。緊急時は管理棟の公衆電話が頼り。念の為10円玉は欠かさずに。2022年6月に駐車場に快適な休憩者がオープン。UPIオンネトーやシャワールームが完備した。

オンネトー国設野営場|ONNETO NATIONAL CAMPSITE
営業期間6月1日~10月31日
定休日なし
サイト数フリーサイト:100組
所在地〒089-3964 北海道足寄郡足寄町茂足寄国有林内
予約方法予約不要
チェックイン

10:00~17:00(UPIオンネトー内)

チェックアウト~11:00
地面草・土
参考料金700円(大人2名利用時の税込合計料金)
電話番号0156-25-2141(足寄町役場経済課商工観光振興室)
WEBサイトhttps://www.town.ashoro.hokkaido.jp/kanko/spot/spot-7.html
設備
区画サイトフリーサイトAC電源車両搬入オートキャンプ簡易宿泊棟
×××××
水回り付宿泊棟ペットドッグラン焚き火直火炊事場
××××
給湯ゴミ捨てコインシャワー風呂・温泉洋式水洗トイレ洗浄機能
付き便座
×××
BBQ設備洗濯機乾燥機自販機管理棟24時間管理
×××××
売店Wi-Fiレストランレンタル
×

注意営業内容は変更されている場合があります。詳細は各施設に直接お問い合わせください。

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2022
SOURCE|全国キャンプ場ガイドブック 2022-2023

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