グースネック州立公園キャンプ場(アメリカ)|悠久の時が生み出すパノラマビュー

“ガチョウの首”のように広がる雄大なパノラマ。数百万年という時間の流れの中で300mの崖下を流れるサンファン川が蛇行し、地殻変動や浸食によって生み出された自然の造形だ。フォーコーナーズにも程近いこの州立公園には必要最低限の手しか加えられていない。ほかには何もない場所だから、その大パノラマを心ゆくまで堪能できるキャンプ場でもある。

荒涼とした大地が地平線まで広がる砂漠から温泉が吹き出す火山地帯、緑豊かな平原から森林、湖、そして氷河まで抱える巨大な生態系、地殻変動で隆起し、風雨や川の流れによって浸食され、今も刻々と変化し続ける大陸。

アメリカには我々日本人の想像を絶するほどのダイナミックな景観が存在する。その多くが国立公園や州立公園などに指定され、保護され、観光スポットやキャンプ場として多くの人を魅了して止まない。そのひとつがここに紹介する「グースネック州立公園キャンプ場」だ。

アメリカ西部のユタ州とアリゾナ州の州境にあるパウエル湖を中心に半径230kmにわたって広がるグランドサークルには、グランドキャニオンやモニュメントバレーを含め、数多くの国立公園や国定公園、州立公園などが存在するが、「グースネック州立公園」もこのグランドサークルに位置している。

州立公園といっても、我々が思い描くような公園とはちょっとイメージが異なる。ご覧の写真のようにグースネック、そしてそれを取り囲む自然の造形をそのままに楽しむための観光スポットであり、人工的な設備などは必要最低限しか置かれていない。駐車場やトイレは用意されているが、グースネックを見下ろす崖には転落防止の柵もなければ、注意書きの看板も立っていない。

この公園はその大パノラマを心ゆくまで堪能できるように設けられたキャンプ場でもある。崖の周囲には8つのキャンプサイトが設けてあり、それぞれに焚火用のファイヤーピットとピクニックテーブルが用意されている。

公園入口にはレンジャー(管理人)の詰所があるだけで、サイトは空いていれば自由に使え、予約は受け付けていない。公園の入場料はクルマ1台につき5ドル(最大8人まで)。ナイトキャンプを楽しみたいなら1キャンプサイト10ドルの追加料金で利用できる。

夜灯はないので夜は月と星明かりのみとなり、神々しいとさえ思えるほどの地球の姿を間近に感じられる。こんなキャンプは日本ではなかなか体験できない。自分が映画の中のワンシーンにでもなったかのような気にさえさせてくれるだろう。

我々が取材に訪れたのは7月初旬。夕方、陽が沈む頃までは観光客の姿が目につくが、暗くなる頃には公園レンジャーも去り、2、3組のオートキャンパー以外、人の姿は途絶えた。冬季の明け方は氷点下にもなる。

VIEW|景観
その名称通り、“グースネック(ガチョウの首)”のように広がる雄大なパノラマを楽しめる。これは3億年もの膨大な時間の流れの中で、地殻変動による隆起やサンファン(サン・ホアン)川の流れが蛇行し生み出した地形が、雨水や風で浸食されてできあがったもの。300mの崖下を流れるこの曲がりくねった川は10km以上にわたって西へと蛇行しながら、やがてグランドサークルの中心点であるパウエル湖へと注ぎ込んでいる。

FOOD & DRINK| 食料・飲料
周囲は荒涼とした砂漠が広がるが、観光地でもあるため約8マイル、クルマで約12分の距離に小さな町、メキシカンハットがある。コンビニ、モーテル、ガソリンスタンドなどがあり、最低限のものは蝶たちできる。

ACCESS |交通
公園は国道163号からメキシカンハット付近で州道261号へ曲がり、さらに州道316号へ分岐して進んだ突き当たり。公園レンジャーが詰所にいる場合は、そこで料金(現金のみ)を支払うが、レンジャー不在の場合は、備え付けの封筒に料金を入れ、詰所の横に設けてあるポスト( “PAY HERE”と書かれている)に投函しておく。

ADVICE|ひとことアドバイス
夏も冬も、昼夜の寒暖差が大きい過酷な砂漠の中。気軽に軽装備でキャンプインするのはリスクが大きい。できればモーターホームをレンタルして訪問するのをお勧めしたい。

グースネック州立公園キャンプ場アメリカ
営業期間 通年
定休日 なし
サイト数 8
所在地 UT-316, Mexican Hat, UT 84531 USA
予約方法 予約不可
参考料金 公園入場料5ドル+ 夜間キャンプサイト利用料10ドル(1泊)
WEBサイト https://stateparks.utah.gov/

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|OSAMU HONMA
PUBLISHED|2020
SOURCE|CAMP GROUND GUIDE BOOK 2020-2021

Copyright © 2020 Camp Goods Magazine
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