熊本と大分の県境に近い南小国町の周辺には、日本でも有数の温泉が無数に点在する。「蔵迫(くらさこ)温泉さくら」は、そんな温泉郷の中に位置し、源泉掛け流しの良質な温泉が楽しめる施設として人気を誇る。露天風呂を含め、4つの温泉を楽しむのもいいが、くじゅう連山や阿蘇を一望する絶景も見逃せないキャンプ場だ。
九州の中央部、熊本県の東北部に位置する南小国町は、阿蘇外輪山、くじゅう連山など標高400~950mの山々が連なる山村だ。周囲には筑後川の源流となる大小7つの川が流れ、一部は阿蘇くじゅう国立公園にも属している。町内には黒川温泉や小田温泉など、熊本でも有数の温泉地が点在し、九州各地から湯治客が集う温泉郷としても知られている。「蔵迫温泉さくら」は、そんな南小国町の小高い山の上にある。
キャンプサイトは合計17区画とけっして多くはないが、人混みで混雑することもなく、ゆったりとキャンプを楽しめることだろう。特徴的なのは、キャンプサイトが大きく2方向に分かれていることだ。北東側に面しているのがくじゅう連山を望む「久住サイト」(7区画)、逆に南西側に面しているのが阿蘇の山々を望む「阿蘇サイト」(10区画)となる。どちらも眺望は開けており、視線を塞ぐものは何もない。夏季は目にも眩しい緑豊かな山々が望め、冬季は雪化粧をした山体を望むことができるだろう。
いずれも明確に区画化されておらず、なんともゆるく曖昧に区分けされているので、マナーを守って楽しんでほしい。電源サイトも計7区画ほど用意されているので、家電製品を持ち込んでも楽しめる。さらにうれしいのがキャンプ場利用者なら無料で利用できる温泉の存在だ。
施設名にもあるとおり「蔵迫温泉さくら」の最大の特徴は、源泉掛け流しの温泉施設である。場内には男女別の露天風呂が2つ、さらに内風呂が2つ、合計4つの浴場が用意されており、清掃の時間帯(午前中)を除けばいつでも入浴できる。天然温泉100%の湯は、神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、すり傷などに効能があるそうだから、日頃の疲れを癒すには最適といえるだろう。
なお、小さな炊事場は水のみ。キャンプサイト側にもトイレ(水洗式)はあるが、温泉のある浴場内にも水洗式トイレが備わっている。また、冬季も含め通年営業のキャンプ場ではあるが、余裕があれば全棟に源泉掛け流しの温泉が備わるコテージを選ぶのも悪くないだろう。こちらは部屋ごとに温泉が楽しめるそうだ。
VIEW|景観
小高い「丘」ともとれる低山の頂上に位置する。どこにテントを設営しても見晴らしはよく、気持ちのいいキャンプが楽しめる。適度に植えられた樹木も日除けにちょうどいいサイズだ。
FOOD & DRINK| 食料・飲料
キャンプ場から約2km、クルマで5分の場所にコンビニが1軒あるが、他に食糧などが調達できる店舗はない。スーパーマーケットはキャンプ場から約12km、同20分程度の距離にある小国町まで行く必要がある。
ACCESS|交通
国道442号線から満願寺温泉を抜け、道幅の狭い山道を2kmほど走る。やがて鬱蒼とした森の中に「蔵迫温泉さくら」の看板を見つけることができれば、間もなく到着。急な坂道を駆け上がると左右には貸別荘が並ぶ。丘の上に建つ管理棟で受け付けを済ませば、その先にあるのは山頂の大パノラマを堪能できる6000坪の敷地に広がるキャンプ場だ。
ADVICE|ひとことアドバイス
山の上とはいえ、キャンプサイトから温泉、管理棟まではほとんど高低差のない山頂部に集中しているので、億劫な登り降りも必要ない。このため小さな子供を連れたファミリーでも不自由することはないだろう。
蔵迫温泉さくら(熊本県) | |
営業期間 | 通年 |
定休日 | なし |
サイト数 | 15区画(他にコテージあり) |
所在地 | 〒869-2402 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺 2849-1 |
予約方法 | WEBまたは電話 |
チェックイン | 13:00 |
チェックアウト | 11:00 |
参考料金 | 4600円(おとな2名利用時の税込合計料金) |
電話番号 | 0967-44-1008 |
WEBサイト | https://kurasako-onsen.com/ |
備考 | オートキャンプ:2300円~ バイクキャンプ:1800円~ 入村料(大人1名):900円 (子ども1名):540円(4歳~小学生まで) AC電源:2000円 ゴミ処理費:500円(1日) ※入村料には入浴・入湯税を含む ※4歳未満の入村料は無料 ※料金はシーズン変動あり(2023年6月現在) ※売店の営業は18:00まで |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2020
SOURCE|CAMP GROUND GUIDE BOOK 2020-2021
Copyright © 2020 Camp Goods Magazine
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