カルストとは雨水の浸食などで石灰岩が地表に現れた地形のこと。「姫鶴平(めづるだいら)キャンプ場」のある四国カルストは、愛媛県と高知県の山頂にまたがる形で約25kmにわたってカルスト高原が連なっている景勝地だ。気温は夏でも低く概ね涼しいが、山の天気は変わりやすいので、万全の準備をして出かけよう。
「姫鶴平(めづるだいら)キャンプ場」があるのは、標高1400mを超える山の上だ。このため季節によらず天候は目まぐるしく変わる。朝夕は霧や靄に包まれることも珍しくない。さらに山頂部であるため強風にも注意が必要だ。付近には風力発電の設備があることからも、風の強い場所であることがわかる。しかしながら、そうしたネガティブな条件を差し引いても、この絶景は一見の価値があるといえるだろう。
もっとも、この「姫鶴平キャンプ場」には最低限の設備しかないので、キャンプインする場合はそれなりの覚悟も必要だ。3層の広大なキャンプ場は牧草の生えた草地で、すべてフリーサイト。上段を除けばオートキャンプも可能だが、共有施設となるのは最上段にある炊事棟のみ。トイレは山頂にある「姫鶴荘」の敷地内にあるが、下層のキャンプ場合からだと徒歩7~8分を要する。
料金はテント1張、および車中泊1台が共に500円(税込)。デイキャンプは1団体で同じく500円(税込)。キャンプの受付は「姫鶴荘」にて行うが、毎週火曜日は定休日となるため、火曜日に利用する場合はテント泊 / 車中泊共に月曜日に前払いするか、水曜日に後払いすることになる。
なお、利用にあたっては事前の予約も電話での問い合わせもできない。山頂の天候は自分で判断すべし。初回であれば、せめて「姫鶴荘」が営業している水曜日~月曜日の利用をおすすめする。
VIEW|景観
キャンプ場は標高1400mという山の上に位置している。山道をひたすら走り続けると、標高が上がるにつれ空が開けてくる。やがて、山頂付近までたどり着くと、360度の大パノラマが目前に飛び込んでくることだろう。キャンプ場の周囲は四国カルストと草原(牧場)に囲まれており、視界を遮るものは何もない。山頂部を見下ろすような絶景が広がる。
FOOD & DRINK| 食料・飲料
周囲にはコンビニはもちろん、食料品や飲料を入手できるような店舗はほとんどない。最寄りのコンビニでもクルマで60分以上だ。ただし、キャンプ場の受付となる「姫鶴荘」の営業時間内であれば食事はできる。自動販売機も「姫鶴荘」に設置されている。
ACCESS |交通
瀬戸内海に面する愛媛県・松山市からは約80km、クルマで約120分弱。太平洋に面する高知県須崎市からは60km、同90分。いずれも自動車での移動には山間の険しい山道を通過するしかなく、すれ違うのも難しい狭い道を走り続けることになる。時にはガードレールすらない場所もあり、総じて見通しは悪く、夜間のドライブは非常に危険。なお、冬季はアクセスする道路も通行止めになる。
ADVICE|ひとことアドバイス
設備は決して十分ではない。さらに風の強い山頂部である上、周囲には風を遮るような樹木もほとんどない。山の天気は変わりやすく、突然の雨や風などに見舞われることも多いだろう。それだけに山の天候に慣れたキャンパー向けともいえる。なお、火曜日はキャンプ場受付の「姫鶴荘」が定休日のため、月曜日に前払いするか、水曜日に後払いする形で利用可能だ。
姫鶴平キャンプ場|MEZURU DAIRA CAMPGROUND | |
営業期間 | 4月〜11月中旬 |
定休日 | なし(ただし、受付可能なのは水曜日〜月曜日まで) |
サイト数 | 定員:100組(フリーサイトのため、おおよその定員組数) |
所在地 | 〒791-1802 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷8117 |
予約方法 | 予約不可(直接現地へ) |
参考料金 | 500円(テント1張分の税込総額) |
チェックイン | 特に設定なし |
チャックアウト | 特に設定なし |
電話番号 | なし(電話での問い合わせ不可) |
WEBサイト | https://yanadani-skk.jp/stay/camp/ |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2020
SOURCE|CAMP GROUND GUIDE BOOK 2020-2021
Copyright © 2020 Camp Goods Magazine
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