奥日光・中禅寺湖畔で唯一のキャンプ場となるのが「菖蒲ヶ浜(しょうぶがはま)キャンプ場」だ。日光国立公園内、男体山の麓である中禅寺湖の湖畔に位置しており、場内には湯川や地獄川が流れる。美しい湖畔も含めて夏場は水遊びにも最適だ(遊泳は禁止)。もちろん、紅葉の時期には景勝地としても名高い奥日光の紅葉が目前に広がる“絶景のキャンプ場”でもある。

▲10月に撮影したキャンプ場内の景観。場内の紅葉も美しい。
東北自動車道・宇都宮インターチェンジから、日光宇都宮道路や国道120号線を経由して約44km。渋滞さえなければ、自動車で45分ほどの距離にあるのが奥日光・中禅寺湖だ。
日光国立公園内にあるこの湖は、標高1269mに位置しており、人造湖を除いた広さ4平方km以上の湖としては日本一標高の高い場所にある。
湖の周囲は24kmほどで、栃木県内では最大の大きさ。そもそも2万年前に男体山の噴火でできた堰止湖であり、北側にはその男体山、北西には戦場ヶ原が広がるなど、奥日光の自然を堪能できる景勝地としても知られている。
そんな中禅寺湖の湖畔で唯一のキャンプ場となるのが「菖蒲ヶ浜(しょうぶがはま)キャンプ村」である。

▲テントサイトはどれも区画化されていないフリーサイト。先着順だ。チェックインは13時からで、最終受付は17時。チェックアウトは11時。直火は禁止なので、炊事場にある炉やたき火台などを使用しよう。なお、アーリーチェックイン制度もある。
キャンプ場の目前に広がる中禅寺湖は四季折々の表情を楽しめることで知られているが、特に初夏のツツジや紅葉の時期は極めて美しい景観を楽しめる。もっとも、標高が高いことから紅葉は毎年9月下旬から10月上旬には色づき始める。
キャンプ場の営業期間も5月1日から10月末頃までと、春から秋までの温暖な時期に限られているので注意が必要だ。
もうひとつ注意したいのは、場内は車両の乗り入れが不可ということ。
このため湖畔にある第一駐車場から専用のリヤカーで荷物を運ぶ形になる。

▲専用の駐車場に車両を止めて、場内のリヤカーに荷物を乗せて搬入する。車両の乗り入れやオートキャンプは不可。
キャンプ場を横断する地獄川、湯川といった美しい河川を超えると、中禅寺湖を目前にするキャンプエリアだ。
宿泊は50棟ほどあるという「バンガロー」と、すべて「フリーサイト」のみというテントサイトの2種。
テントサイトは中禅寺湖の湖畔沿いに2ヶ所用意されており、どちらも中央にキャンプファイヤー用の炉が設けられている。
また、繁忙期の7~8月期のみはキャンプ場の入口に近い、地獄川と湯川の間にあるスペースもテントサイトとして解放される。

▲場内には湯川と地獄川の2本の河川が走る、湯川は日光湯元温泉を抱える湯ノ湖に端を発する河川で、湯滝から流れ落ち、戦場ヶ原の湿原を通過して場内で中禅寺湖へと流入する。キャンプ場からは湯川に降りることもできるが遊泳は禁止だ。
フリーサイトのため先着順とはなるが、どこを選んでも美しい中禅寺湖の湖畔でキャンプを楽しめるのは間違いないだろう。
共用施設は場内2ヶ所に設けられた炊事棟(水道・バーベキュー用の炉・テーブル&椅子が完備)と、1ヶ所のトイレ棟(水洗式の和および洋式)。さらに一度に利用できる人数に限りはあるが、風呂やシャワーも用意されている。

▲炊事等は水のみで給湯はない。水は真夏でも冷っとするほど冷たい。
食材さえ用意しておけば滞在中に場外にでる必要はないだろう(周囲にコンビニやスーパーはほとんどないため、飲料・食料は出発時に用意しておいた方がいい)。
前述したが、オートキャンプは不可なので、荷物の多いキャンパーには不便だが、それでも場内に常備されているリヤカーを使うことで、大半は1~2度の往復で荷物が運べるはずだ。
駐車場からテントサイトまでは少なくとも2~300mの距離にはなるが、場内は平坦なので、家族みんなでリヤカーを押しながらキャンプのスタートを楽しもう。
また、場内は車両の乗り入れが出来ないことにより、安全で静か。小さな子供がいても、車両に気をつける必要がないのは、ファミリーキャンパーには大きなメリットといえる。
中禅寺湖周辺は日中風が強いが、朝夕は凪になることが多い。美しい湖畔の風景を眺めながら静かに淹れたてのコーヒーを楽しむなら、凪になる朝の貴重な時間をぜひ堪能してほしい。

▲炊事棟にはテーブルと椅子、BBQ用のコンロや水道が揃っている。数は十分にあるが、夏休みの時期などは混み合うので、覚悟が必要。冬季の営業はしていないので、給湯設備はない。

▲炊事棟内のテーブルや椅子。

▲風呂やシャワーは専用棟内にある。シャワーはいわゆるコインシャワーではなく、浴室内にある一般的なシャワー。

▲キャンプ場の規模の割りには小ぶりな風呂とシャワーが備わった男女別の浴室。朝もシャワーのみ利用可能なので、混み合う時期は朝シャワーで済ませるのもいいかも。

▲50棟近くもあるコテージ。ガスコンロ、ミニキッチン、冷蔵庫、ダイニングセット、コンセント、寝具なども揃ったタイプから、寝具とコンセントのみの簡易なものまで多数あり。

▲場内に1ヶ所のみ備わるトイレ棟。数は十分が、洋・和式の両方があるので、朝は少し混み合うかも。清潔な水洗式だ。

▲キャンプ場の入口にあるのが管理棟。入場後は管理棟で受付し、その後リヤカーで荷物を搬入する。

▲写真は場内入口にある第一駐車場。第一駐車場はさほど台数規模が大きくなく、満車になると公道を超えた第二駐車場に車両を停めることになる。
VIEW|景観
中禅寺湖の湖畔に設けられた水辺、林間のキャンプ場。特に紅葉の時期は美しい景観を楽しめる。
FOOD and DRINK|食料・飲料
最寄りのコンビニはキャンプ場から約18km(クルマで約30分)。宇都宮方向からだといろは坂の手前、日光市内に複数ある。キャンプ場到着前に飲料・食料は準備しておこう。
ACCESS|交通
東北自動車道・宇都宮ICから日光宇都宮道路を経由して約50km(クルマで約1時間)。紅葉や夏休みなどの混雑時はいろは坂をはじめとする交通渋滞が酷くなる。時間に余裕を持って準備したい。
ADVICE|ひとことアドバイス
湖畔ではカヌーやSUPなどのアクティビティを楽しむ人も多い。この機会にぜひチャレンジしてみては。
菖蒲ヶ浜キャンプ村|SHOUBUGAHAMA CAMP VILLAGE | |
WEBサイト | http://www.shoubugahama.co.jp |
所在地 | 〒321-1661 栃木県日光市中宮祠2484 |
営業期間 | 5月1日〜10月末日( |
定休日 | なし |
電話番号 | 0288-55-0227(5月~10月末まで) |
サイト数 | フリーサイト:定員約300名 他にバンガローやキャビン |
参考料金 | 4000円(大人2名利用時の税込合計料金) |
予約方法 | 予約不可 |
チェックイン | 13:00~17:00 |
チェックアウト | ~11:00 |
地面 | 草・土 |
備考 | 大人(中学生以上1人・1泊):2000円 小人(小学生以下1人・1泊):1200円(税込)小学生以下 乳児(1人・1泊)無料 アーリーチェックイン:800円 タープ(1張・1日):1700円 大型テント(1張・1日):2000円※張幅3mを超えるもの デイキャンプ(大人):1500円※中学生以上 デイキャンプ(小人):1200円※小学生以下 ※ペット泊には条件あり |
設備 | |||||
区画サイト | フリーサイト | AC電源 | 車両搬入 | オートキャンプ | 簡易宿泊棟 |
× | ◯ | × | × | × | ◯ |
水回り付宿泊棟 | ペット | 共用ドッグラン | 焚き火 | 直火 | 炊事場 |
× | × | × | ◯ | × | ◯ |
給湯 | ゴミ捨て | コインシャワー | 風呂(温泉) | 洋式水洗トイレ | 洗浄機能付き便座 |
× | × | ◯ | ◯ | ◯ | × |
BBQ設備 | 洗濯機 | 乾燥機 | 自販機 | 管理棟 | 24時間管理 |
◯ | × | × | ◯ | ◯ | × |
売店 | Wi-Fi | レストラン | レンタル | ||
◯ | × | × | × |
注意 | 営業内容は変更されている場合があります。詳細は各施設に直接お問い合わせください。 掲載されている写真は取材時のものです(以下のPUBLISHED参照)。現況と異なる場合がありますので、必ず最新の状況を施設で確認してください。 |
UP DATE|2023/08
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTOおよび施設提供写真
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2020
SOURCE|Camp Goods Magazine vol.10
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