石積みされた400枚の棚田が織りなす四季折々の風景が人を誘う「竹の棚田」。その美しい形状や保存状態などが評価され、「日本の棚田100選」に認定された景勝地から、わずか数分。森の中にぽっかりと口を開けたかのように佇むのが東峰村にある「岩屋キャンプ場」だ。

▲森の中でぽっかりと口を開けたかのようなキャンプサイト。芝生の部分がフリーサイト。
宝珠山(ほうしゅやま)は福岡県東峰村にある山間の集落名。旧宝珠山村の地名を残したもので、2005年に小石原村と合併して、現在の東峰村となった。
「岩屋キャンプ場」はその東峰村が所有しており、地元のNPO団体が管理運営を託されている。
付近には日本棚田百選にも選ばれた「竹の棚田」もあり、四季折々に移り変わる風景を楽しみに、九州はもとより全国から観光客が集うという。

▲フリーサイトの奥から区画サイト側を写したもの。地面は芝で水捌けもいい。
「岩屋キャンプ場」はこの「竹の棚田」から南へ約1km、山間を縫うように走る県道52号・八女香春線から1本入った山の中にある。
わずか350mほどの距離を一気に50mほど登ると「岩屋キャンプ場」の管理棟へ。山頂にあるキャンプサイトは、そこからさらに50mほど登った先にある。
キャンプサイトは1日10組を定員とするフリーサイトと、オートキャンプのできる電源付きの区画サイト7区画の2つ。さらに全7棟の宿泊棟(コテージ)が場内に点在している。

▲区画サイトはクルマの横付けが可能なパーキングスペースを完備。写真の「No.1」から「No.3」は春になるとお花見もできる人気の区画。
ただし、キャンプサイトとコテージは互いに距離が離れているので、利用者同士が交わることはないだろう。
ちなみに区画サイトは全サイト電源設備付きで車両の横付けも可。一方のフリーサイトは車両の侵入不可。このため前者はファミリーキャンパーなどに、後者は荷物の少なめなソロやデュオキャンパーなどに適している。
共用設備は管理棟の他、トイレ棟、炊事棟など。管理棟とトイレ棟は2019年にリニューアルされているが、残念ながらシャワー設備は用意されていない。

▲山の中腹にある管理棟「すてら」がキャンプの受付場所となる。薪などの燃料類やレンタル品も置いてある。
このため入浴の際は近隣の入浴施設などを利用しよう。最寄りは東峰村営の「保健福祉センターいずみ館」となり、キャンプ場から約5km(クルマで約10分)だ。
周囲は紅葉樹を中心とした森に囲まれており、紅葉の時期は真っ赤に染まる絶景が楽しめる。春は区画サイトの「No.1」から「No.3」付近でお花見も楽しめるそうだ。

▲森の中にぽっかりと口をあけたかのようなキャンプサイト。

▲屋根付きの大きな炊事棟。フリーサイト利用者のクルマは炊事棟の前に駐車する。

▲飯盒炊爨用の炉が用意された炊事棟の内部。水道は水のみだが、流しは複数ある。

▲2019年にリニューアルされた男女別のトイレ棟。洗浄機能は付いていないが、洋式水洗トイレが備わる。

▲区画サイトには電源設備も備わっている。地面は芝生だが、ところどころ土が露出している。

▲人気の高いコテージは高低差のある森の中に7棟が配置されている。紅葉の時期は特に美しい景観を楽しめる。
VIEW|景観
周囲は森に囲まれているが、キャンプサイトだけは森の中にぽっかりと口を開けたかのように綺麗に樹木が伐採されている。もともと村のお祭りなどにも使われていた広場を再利用しているためで、現在も催し用のステージが残されている。
FOOD and DRINK| 食料・飲料
山間にあるため、付近にコンビニやスーパーは少ない。食材を扱うスーパーマーケットは最寄りがキャンプ場から約9km(クルマで約12分)。コンビニは約15km(同約25分)の朝倉市杷木地区にある。
ACCESS |交通
九州横断自動車道・杷木ICからキャンプ場までは約15km(クルマで約30分)。県道52号からキャンプ場へ入る最後のアクセス路は、かなりの急勾配。舗装はしっかりしているが、冬季は路面の凍結・積雪がないことを確認した方がいいだろう。
ADVICE|ひとことアドバイス
紅葉の時期は特に美しい景観が広がる。長い階段を上り下りする必要はあるが、山の斜面に建築されたコテージも人気だ。
岩屋キャンプ場|IWAYA CAMP SITE | |
WEBサイト | https://toho-iwayacamp.com |
所在地 | 〒838-1701 福岡県朝倉郡東峰村宝珠山4171 |
営業期間 | 通年 |
定休日 | 日曜日〜金曜日(※営業は土曜日のみ) |
電話番号 | なし(年末年始は休業) |
サイト数 | 区画サイト:7区画 フリーサイト:10組 宿泊棟:7棟 |
参考料金 | 3300円(大人2名利用時の税込合計料金) |
予約方法 | 電話 |
チェックイン | 12:00〜17:00 |
チェックアウト | 11:00 |
地面 | 芝生・土 |
備考 | 区画サイト(宿泊:電源付き):2200円 区画サイト(デイキャンプ:電源付き):2200円 フリーサイト(宿泊:1張):1100円 フリーサイト(デイキャンプ:1張):1100円 利用料(宿泊:1名):550円 利用料(デイキャンプ:1名):330円 ※車両搬入・オートキャンプができるのは区画サイトのみ ※Wi-Fiは管理棟とコテージ内のみ可 |
設備 | |||||
区画サイト | フリーサイト | AC電源 | 車両搬入 | オートキャンプ | 簡易宿泊棟 |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
水回り付宿泊棟 | ペット | 共用ドッグラン | 焚き火 | 直火 | 炊事場 |
◯ | ◯ | × | ◯ | × | ◯ |
給湯 | ゴミ捨て | シャワー | 風呂 | 洋式水洗トイレ | 洗浄機能付き便座 |
× | ◯ | × | × | ◯ | × |
BBQ設備 | 洗濯機 | 乾燥機 | 自販機 | 管理棟 | 24時間管理 |
× | × | × | ◯ | ◯ | × |
売店 | Wi-Fi※管理棟&コテージ内 | レストラン | レンタル | ||
◯ | ◯ | × | ◯ |
注意 | 営業内容は変更されている場合があります。詳細は各施設に直接お問い合わせください。 |
掲載されている写真は取材時のものです(以下のPUBLISHED参照)。現況と異なる場合がありますので、必ず最新の状況を施設で確認してください。
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2022
SOURCE|Camp Goods Magazine vol.23
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