十二坊温泉オートキャンプ場（滋賀県）｜湖南三山巡りと十二坊温泉

千手観世音菩薩を御本尊とする「常楽寺」、子宝・安産・長寿の御利益があるという「長寿寺」、厄除けの「善水寺」など、国宝“湖南三山”の中心にある「十二坊温泉」。低張性弱アルカリ性温泉は、神経痛、筋肉痛、関節痛などへの効能も期待できる。観光と温泉の両方が楽しめる「十二坊温泉オートキャンプ場」は、ファミリーでゆったりと過ごしたい場所だ。

滋賀県湖南市の北部に広がる岩根山（通称：十二坊）は、古来より肉体と精神の鍛錬の場“修験場”として知られ、仏教修行の道場として栄えた場所である。標高400mの低山であることから、近年は子供でも気軽に登山やハイキングの楽しめる山としても親しまれており、2～3時間のハイキングルートも複数存在する。周辺には“湖南三山”と呼ばれる国宝寺院（常楽寺・長寿寺・善水寺）もあり、特に紅葉の時期は息を呑むような美しい景観を楽しめる場所としても知られている。

「十二坊温泉」は1994年にこの“湖南三山”の中心・岩根山の山麓に湧出した天然温泉だ。現在は2つの異なる温泉とドライサウナ、岩盤浴、夏季は温泉プールも営業を行うなど、ファミリーで楽しめる温泉施設「十二坊温泉ゆらら」として営業する。2013年にはオートキャンプ場もオープン。以来、京阪神・中京エリアのどちらからもアクセスのしやすい“温泉の楽しめるキャンプ場”として、高い人気を誇っている。

全面車両の乗り入れが可能なオートキャンプエリアは合計21区画。すべての区画に電源が備わり、7×7m、8×8m、8×9mの3サイズの区画サイトが用意されている。中にはトレーラーや大型キャンピングカーに対応したサイトもある上、山小屋風のキャビンも7棟あるので、好みに応じた宿泊スタイルを選ぶことができるだろう。場内の共有設備は流し場（炊事棟）とトイレ棟（水洗式・洋式）の2つ。炊事棟には給湯設備もあるので、冬季のキャンプでも洗い物などで不自由しないのもうれしいポイントだ。

温泉は前述した「十二坊温泉ゆらら」を利用する。入浴料は大人が600円、小人が300円だが、キャンプ場利用の場合は購入した入浴券を“1日券”として、宿泊日当日は何度でも利用できるという特典もある。ぜひ連泊で楽しんでもらいたい。

また、「十二坊温泉オートキャンプ場」は“湖南三山”の中心にあることから、観光の拠点としても便がいい。場内には“湖南三山”のひとつ・善水寺のハイキングルートへの入口もあり、片道40分ほどの登山ルートを楽しむこともできる。キャンプはもちろん、ハイキングと観光、さらに汗をかいた後は温泉にゆったりと浸かれるのが「十二坊温泉オートキャンプ場」の魅力といえるだろう。

ちなみに週末や連休の予約を取るのはかなり難しく、狙い目は木曜日とのこと。冬季は積雪によりアクセスルートが封鎖されることもあるそうなので、心配な場合は事前に状況の確認をしよう。

VIEW｜景観
「十二坊温泉ゆらら」から一段下がった場所にある林間のキャンプ場。東・南側は森に囲まれており、登山ルートの入口もある。

FOOD & DRINK｜ 食料・飲料
住宅街が近いこともあり、コンビニは２km圏内に複数営業している。大型のスーパーはキャンプ場から約5km、クルマで10分程度の距離にある。その他にも野洲川を超えた湖南市の中心部にも近く、大抵のものは現地調達可能だ。食事は「十二坊温泉ゆらら」内でも楽しめる。

ACCESS ｜交通
名神高速道路・竜王ICより約8km、クルマで12〜13分の距離だ。また、新名神高速道路・信楽ICからもアクセス可能で、約16km、同30分程度。

ADVICE｜ひとことアドバイス
設備も整っており、経験の有無を問わず誰でも楽しめるキャンプ場だ。ゆっくり静かに楽しみたいなら、山側のサイトを選ぶといいだろう。

PHOTO｜KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT｜KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED｜2020
SOURCE｜CAMP GROUND GUIDE BOOK 2020-2021

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