小屋といわれて、誰もが想像するのは山小屋ではないだろうか。板を重ねて作っただけの簡素な山小屋もあれば、登山者たちを暖かく迎えてくれる本格的な宿泊用の山小屋もある。程度の差はあれ、これらの山小屋に共通しているのは木材を主要な構造材として使用していることだ。
木材は断熱性・加工性に富んだ建築資材であることから世界中で使用されているが、特に建材の運搬が難しい山中では、比較的容易に入手できることから山小屋づくりには欠かせないものとなっている。
ここで紹介するのは、そんな山小屋の風合いを携える「ヴィンテージハウス」である。ログハウスメーカーとしての経験を誇るカントリータウンアンドカンパニーが販売するこの商品は、150年前のアメリカ・西部開拓時代の住居を再現したもので、いわゆるログハウスと同じ工法で建築されているものだ。まさに住宅としても高い性能を有する本格的な小屋である。
ログハウスの工法にはいくつかの種類が存在するが、「ヴィンテージハウス」ではダブテイルという工法を用いている。角ログを積み上げて作るこの方法のメリットは、丸ログよりも内部空間を確保できることで、まさにサイズの限られた小さなログハウスの小屋にはピッタリな工法といえる。
角ログが直角に交わるコーナー部はダブテイルノッチと呼ばれ、角ログ同士を接合する技術が用いられていることから、大変高い強度を発揮するのもこの工法ならではのメリットとなる。
さらに角ログの隙間にはチンキング材を埋めていることから、四季を通じてログが伸長するのを調整してくれる。このため、高い気密性を発揮し、快適な生活を約束してくれるそうだ。
販売元によれば、自宅の敷地内にこの「ヴィンテージハウス」を設置し、ゲストルームやパーティルーム、趣味部屋として使うことが多いという。意外にも女性からの依頼も多く、カフェやワークショップなど、女性ならではの夢を実現させるために建築するケースもあるという。まさに多目的に使える小屋が、この「ヴィンテージハウス」といえるだろう。
カントリータウンアンドカンパニーとは
デザイン住宅、注文住宅、輸入住宅、平屋、ログハウス、カントリーハウス、木の家などユニークな住宅を施工する群馬県伊勢崎市の住宅メーカー。木で作られたかわいらしい看板を頼りに小道を入ると、まるで外国の小さな田舎町を連想させるようなタイニーハウスが連なる場所が、展示場を兼ねた本社だ。小道沿いに石や木で造られたかわいらしい建物が建っており、そのひとつひとつがスタッフの個室にもなっている。展示場にはカフェも併設されているので、気軽に訪れてみては?
ヴィンテージハウス|VINTAGE HOUSE | |
本体価格 | 390万円(税別) |
施工 | セルフビルド |
工期 | 2カ月程度 |
外寸 | W5660×D4150×H4850mm |
床面積 | 6.5坪/21.6㎡/13帖 |
床材 | あり(オーク材) |
窓 | あり(アンダーセン製) |
断熱材 | あり(グラスウール) |
備考 | 屋外照明はオプション、キットは未塗装 |
問い合わせ先 | カントリータウンアンドカンパニー|CountryTown&Co. |
電話番号 | 0270-75-5691 |
WEBサイト | https://country-town.com/ |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
MODEL|MARK
STYLING|KAZUNARI HAYAKAWA
PUBLISHED|2017
SOURCE|小屋マガジン Vol.1
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