箱根や熱海と並んで“東京の奥座敷”と呼ばれることも多い鬼怒川温泉。アルカリ性単純温泉のお湯は、神経痛や五十肩、疲労回復や健康増進に効く他、美肌効果もあるということで、老若男女に愛され、年間200万人以上の宿泊客で賑わう温泉郷だ。
栃木県日光市の鬼怒川上流域にある鬼怒川温泉は、1691年に源泉が発見されて開湯。当時は“滝温泉”と呼ばれ、日光詣での行き帰りに立ち寄る諸大名や僧侶のみが入ることを許されたという由緒正しき温泉であった。明治以降は一般開放されて観光地化が進み、鬼怒川渓谷沿いに40軒近い旅館やホテル、リゾートマンションが建ち並び、関東有数の温泉地として栄えてきた。周辺には「日光江戸村」など、大型のテーマパークもあるため、現在では温泉だけでなく観光地としても知られている。
「鬼怒川温泉オートキャンプ場」は、そんな鬼怒川温泉の北側に位置し、鬼怒川の川原に沿って、東西に広がるキャンプ場だ。1997年にオープンして以来、温かみのある手作りのキャンプ場として、家庭的な雰囲気のもとでキャンパーを出迎えてくれており、利用者も、ファミリー層が中心である。
また、川沿いに広がるキャンプ場は日光国立公園内・特別保護区に位置しており、100種類以上の野鳥が生息する自然の宝庫だ。周囲には貴重な山野草も多く、目の前の鬼怒川は、夏は川遊びが楽しめるだけでなく、県内外から多数の釣り人が訪れる絶好の釣りポイントとしても知られている。
その鬼怒川沿いに広がるキャンプエリアは、合計40サイトで、いずれも区画化されている。うち、20サイトには電源も用意。サイズは概ね間口6.5m×12m(約78平米)。適度な間隔で木立もあり、樹木が生えているサイトは少し大きめに区画割りされている。数は少ないがバンガローやピザ窯もある上、日帰りの入浴やデイキャンプ、ナイトBBQもOKということで、キャンパー以外の一般利用客も多い。
温泉は「上滝乃湯」と名付けられた男女別の専用施設が管理棟の前に建築されており、大人1人500円(子供は300円)で利用できる。源泉の温度が低いことから加温はしているが、加水はなく、単純アルカリ泉の温泉をたっぷりと堪能できる。男女ともに内風呂とは別にコンパクトな露天風呂も用意されているため、鬼怒川のせせらぎを聞きながらお湯を楽しむこともできるだろう。
紅葉のピークは11月上旬。以降の冬季は積雪もあるため、スノータイヤの装備がおすすめとのことだ。また、冬季は薪等のサービスもある。特筆すべきは夏の川遊びだが、春の新緑、秋の紅葉はもちろん、冬でも楽しめるキャンプ場といえるだろう。
VIEW|景観
鬼怒川の川岸沿いに広がるキャンプ場。川側とキャンプ場との間には風除けになりそうな樹木も植えられている。
FOOD &DRINK| 食料・飲料
キャンプ場から3km圏内となる鬼怒川温泉街周辺に複数のコンビニがある。大型スーパーは15kmほど離れた今市市内まで足を延ばす必要がある。
ACCESS|交通
クルマの場合は東北自動車道・宇都宮ICから日光宇都宮道路、国道121号線を経由して約45分。東北方面からの場合は矢板ICから国道461号線、国道121号線を経由して約40分。日塩有料道路・上滝料金所の手前を鬼怒川沿いに下りていくとキャンプ場に到着だ。
ADVICE|ひとことアドバイス
家庭的な雰囲気のキャンプ場で、ファミリーやビギナーでも安心して利用できる。特に夏場は鬼怒川で水遊びしながらキャンプを楽しめる。
鬼怒川温泉オートキャンプ場(栃木県) | |
営業期間 | 通年 |
定休日 | トップシーズン以外は第1・第3水曜日 |
サイト数 | 40区画 |
所在地 | 〒321-2526 栃木県日光市鬼怒川温泉滝1053 |
予約方法 | 電話またはFAX |
チェックイン | 13:00 |
チェックアウト | 11:00 |
参考料金 | 5500円(区画料:4400円+大人2名分管理費: 1100円の合計) ※料金はシーズン変動あり |
電話番号 | 0288-77-2334 |
WEBサイト | http://www.kinugawa-camp.jp |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2020
SOURCE|CAMP GROUND GUIDE BOOK 2020-2021
Copyright © 2020 Camp Goods Magazine
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