エリベッテ|スペース効率の良いコンパクトなクラシック・トレーラー

クルマとバイク

軽量でスペース効率に優れたクラシックなキャンピング・トレーラーが「ハイマー・エリベッテ」だ。スクエアなボディ形状の中は、数多くの収納と実用的な装備を奢られ、1980年代のクラシック・モデルとは思えない美しい意匠を誇っている。

ご存知の通り欧米では長期のバカンスの取得が一般化しており、有給休暇の取得は労働者の権利のひとつとして社会に根付いている。フランスでは1936年には2週間の年休が法定化され、有給休暇制度をいち早く導入。ドイツでも1963年に連邦休暇法が制定され、年間24日の年休が企業に義務化された。こうした結果、欧州の主要企業は年間30日以上の有給休暇を規定することも珍しくなくなり、今日では3-4週間もの長期休暇を取得するのが一般的になったのだ。

労働者の権利を後ろ盾にした有給休暇制度は同時に欧州のレジャー産業の盛隆にも貢献した。ウエストファリア社やハイマー社が数多くのキャンプモービルを輩出してきた歴史には、社会制度の整備・充実もまた大きな影響を及ぼしたのである。

ドイツのハイマー社はこうした長期のバカンス需要に合わせて業績を伸張させてきたキャンプモービルの専門メーカーだ。その品質の高さから現在でも高い人気を博しており、キャンピングカーから、欧州では“キャラバン“と呼ばれるキャンピング・トレーラーまで幅広いラインアップを誇っている。

1923年に創業した同社は、代表的なモデルとして丸みを帯びた形状が特徴の「エリバ」があるが、一方でスクエアなモデルも同時に展開していた。ここで紹介しているのは、そのハイマー社が誇るコンパクトかつスクエアなボディ形状を特徴にした1981年式の「エリベッテ」である。

1976年に同社のラインアップへ加わった「エリベッテ」は、車重400kgと軽量・コンパクトなサイズに加え、効率的な居住空間を実現したキャンピング・トレーラーであった。同社の最小モデルである「エリバ・パック」と同等の重量ながらも、より広い室内空間を実現しており、今日では希少なクラシック・トレーラーのひとつといえる存在だ。

日本国内には並行輸入車として輸入され、普通自動車として登録される。牽引免許は不要だが、高速道路などでは中型車として区分されるので注意が必要だ。一方で車重400kgという軽量さから取り扱いは容易で、停車後でも簡単に人力で動かせるなど、使い勝手の良いキャンピング・トレーラーともいえるだろう。

現車は1981年式ということで、生産から30年以上を経過したクラシック・モデルだが、美しい内外装を維持している。220V、12V、LPガスの3WAYで使用可能な冷蔵庫に、2口のガスコンロと手動式ポンプの備わったシンク、さらに豊富な収納スペースや着脱式のテーブル、大人3名が就寝可能なソファ&ベッドなど、実用性の高い装備も魅力だ。

クラシックなキャンピング・トレーラーというと、マニアックな印象を受ける方も多いと思うが、トレーラーそのものの価格は新車に比べればはるかに安価な上、動力部がない分だけ故障の可能性も低く、意外にも扱い易い存在でもある。森の中に佇む姿も美しく、初心者でも臆することなく使用できる現実的な選択肢のひとつといえるだろう。

ハイマー・エリベッテとは?
1976年にドイツ・ハイマー社のラインアップへ加わった小型のキャンピング・トレーラー。車重400kgと軽量・コンパクトなサイズにより、国内では牽引免許不要で走行できる。

ハイマー・エリベッテ|HYMER ERIBETTE
年式1981年
サイズL4150×W1680×H1980mm
室内サイズL2780×W1600×H1580(1840)mm
重量400kg
問い合わせ先STROLLERS
WEBサイトhttp://strollers-vc.com

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2018
SOURCE|CAMPMOBILE LIFESTYLE BOOK vol.01

Copyright © 2020 Camp Goods Magazine
本WEBサイトにて掲載されている写真及びテキストの無断転載を禁じます。

関連記事

新着記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


人気ランキング

  1. 1

    The Country Sunset(ザ・カントリー・サンセット)|千葉県|房総半島・茂原にオープンしたガレージブランドの新拠点

  2. 2

    こいつはすごい! ガツンとくる最強ガーリック飯「G飯の素」

  3. 3

    キャンプ・アンド・キャビンズ山中湖(山梨県)|2023年、もっとも注目すべきキャンプ場がグランドオープン

  4. 4

    電波の届かないキャンプ場でも、これで安心!|スターリンクローム(STARLINK ROAM)

  5. 5

    燈人(トモシビト)|沖縄県|沖縄・那覇市内に立地する希少なキャンプ用品専門店

最近の記事

  1. キャンプグッズ・マガジン vol.35|2月29日発売

  2. 【5月25日〜26日】LAND CRUISER CAMP OUT FUJI 2024|ランドクルーザー・キャンプアウト富士2024

  3. 彩り豊富なヘルシーラビゴットソースとサーモン焼き

  4. うどんに合わせても美味しい! アジアンエスニックなあさりの酒蒸し

  5. カリッとした食感と肉汁が特徴的なチキン南蛮に、さっぱりと美味しいアボカドソースの組み合わせ

TOP