“薩摩富士”とも呼ばれる美しい山影が魅力的な開聞岳(かいもんだけ)と朝日。沖にそびえ立つ標高42mの立神岩に落ちる夕日。何よりも目の前は美しい東シナ海という絶好のロケーションに位置し、無料で開放されているのが鹿児島県枕崎市の管理する「火之神公園キャンプ場」だ。
鹿児島県・薩摩半島南西部に位置する枕崎市は、温暖な気候で知られる九州南端の港町だ。南西側に広がる海は太平洋でも、日本海でもなく、中国や台湾に面した東シナ海であり、好漁場としても知られている。このため大型遠洋漁船やかつおの一本釣り船が枕崎漁港を基地として操業しており、水産加工も盛んだ。「火之神公園キャンプ場」は、この枕崎市の南端に位置した岬に設けられた無料のキャンプ場である。
全面が芝生のキャンプエリアは東シナ海に突き出た岬の東側、花渡川の河口に面して配置されており、目の前が海という絶好のロケーション。海の向こう側、東側には直線距離で25kmほどの距離に山体が美しいことから“薩摩富士”とも呼ばれる開聞岳がそびえる。
南側へ視線を移せば、海中から突き出た高さ42mの奇岩・立神岩の堂々とした姿も間近に映る。枕崎市のシンボルとして親しまれている立神岩は、冬至の頃になると夕日と重なりまるで真っ赤に燃えた蠟燭のような景観をつくり出すことで知られている。その神秘的な美しさから、薩摩半島屈指の景観を誇るともいわれている景勝地だ。
このように「火之神公園キャンプ場」はまさに絶景のロケーションに囲まれた場所ではあるが、設備はシンプルであくまでも公園施設を共用する程度だ。
共用施設は水道のみの屋根付き炊事棟が2棟、トイレは公園駐車場の公衆トイレ(洋式水洗)を利用する。4~11月の間はこの公衆トイレ内に設置されている温水のコインシャワーも利用可能だ。
公園利用者向けの休憩スペースにはテーブルと椅子も用意されているので、短時間の利用であれば食事のスペースも確保できる。
地面はきれいな芝生の全面フリーサイトで自由にキャンプを楽しめる。ただし、車両の乗り入れはできないため、公園駐車場からは徒歩やカートで荷物を運ぶ必要がある。もっとも公園駐車場からキャンプスペースまでは50m程度しか離れていないので、不自由はしないだろう。
VIEW|景観
枕崎市の南端に位置した海沿いの火之神公園内にあるキャンプサイト。公園の一部をキャンパー向けに開放しており、予約不要・無料で利用できる。
FOOD and DRINK|食料・飲料
枕崎市の市街地に近い。最寄りのコンビニは約2.8km、クルマで約7分。スーパーマーケットも3km圏内にいくつかある。市街地には飲食店も多いので、食事の心配は不要だ。
ACCESS|交通
最寄りに高速道路はない。鹿児島市内からは一般道を経由して約60km、クルマで約90分。指宿からも約42km、同約60分。九州南部観光のついでに立ち寄りたい。
ADVICE|ひとことアドバイス
海沿いのロケーションだが、市街地に近いため何かと便利。周辺の岩場は絶好の磯釣りポイントとしても知られる。ただし、けがや落水には十分に注意してほしい。
火之神公園キャンプ場|HINOKAMI PARK CAMPGROUND | |
営業期間 | 通年 |
定休日 | なし |
サイト数 | 設定なし(編集部注:目算で10組程度) |
所在地 | 〒898-0049 鹿児島県枕崎市火之神岬町47 |
予約方法 | 予約不要 |
チェックイン | 設定なし |
チェックアウト | 設定なし |
地面 | 芝生 |
参考料金 | 無料 |
電話番号 | 0993-72-1111(枕崎市役所) |
WEBサイト | https://www.city.makurazaki.lg.jp/soshiki/suisan/351.html |
備考 | ※ゴミ、炭は持ち帰り ※大勢でのスペース占有は禁止 ※夜間は静かに過ごす ※シャワーは利用可能期間限定 |
設備 | |||||
区画サイト | フリーサイト | AC電源 | 車両搬入 | オートキャンプ | 簡易宿泊棟 |
× | ◯ | × | × | × | × |
水回り付宿泊棟 | ペット | ドッグラン | 焚き火 | 直火 | 炊事場 |
× | ◯ | × | ◯ | × | ◯ |
給湯 | ゴミ捨て | コインシャワー | 風呂・温泉 | 洋式水洗トイレ | 洗浄機能付き便座 |
× | × | ◯(利用可能期間限定) | × | ◯ | ×(館内) |
BBQ設備 | 洗濯機 | 乾燥機 | 自販機 | 管理棟 | 24時間管理 |
× | × | × | × | × | × |
売店 | Wi-Fi | レストラン | レンタル | ||
× | × | × | × |
注意 | 営業内容は変更されている場合があります。詳細は各施設に直接お問い合わせください。 |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2022
SOURCE|テーマで選ぶ全国キャンプ場ガイドブック 2022-2023
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