南北へとカーブを描くように曲流する槻川(つきがわ)。結晶片岩の岩畳を縫って流れる渓谷沿いに、昭和31年開場という「嵐山渓谷 月川(つきがわ)荘キャンプ場」がある。昔ながらのキャンプ場はけっして設備が充実しているわけではないが、豊かな自然とリーズナブルな料金、アクセスのいい立地から人気の高いキャンプ場だ。
埼玉県の「嵐山(らんざん)」は、京都の「嵐山(あらしやま)」と同じ漢字を用いる人口2万人に満たない小さな町だ。町の北東部は比企北丘陵、南部には岩殿丘陵に位置し、西部は秩父山地の外縁にも繋がるなど、豊かな自然にぐるりと囲まれていることから “武蔵の小京都”とも呼ばれている。その嵐山町を南北に分断するように流れているのが槻川だ。
東秩父の山間を源流に嵐山町へと流れ出るこの清流は、景勝地・長瀞と同じ紅簾石片岩(こうれんせきへんがん)の大地を縫うように曲がりくねり、見事な渓谷美を見せている。特にヘアピンカーブのように180度に流路が転じる細原(ほそばら)は最大の見どころ。「嵐山渓谷 月川荘キャンプ場」があるのは、まさしくその槻川・細原の川岸である。
場内は槻川の清流を挟み、東側にキャンプサイト、西側に宿泊棟が配置されており、両者を繋ぐように手作りの橋や荷物運搬用の索道(さくどう)が用意されている。サイトはこの東側を中心に4ヶ所が点在しており、いずれもフリーサイトとなっている。
管理棟を中心に南側・東側には車両の乗り入れができないキャンプサイトが2ヶ所。東側の高台には車両の乗り入れができるオートキャンプサイト、さらに一度場外に出て別経路から進入する川沿いにもう1ヶ所オートキャンプエリアが用意されている。
平坦ではないが河原でもテントを設営することは可能で、取材時は水際にテントを張ったキャンパーも見かけた。いずれも川に近い方が人気は高いようだ。
共用施設は炊事棟やトイレ棟が管理棟周辺に配置されている。水道は場内に計4ヶ所あり、離れたエリアには仮設のトイレもある。決して設備が充実しているわけではないが、清流と岩畳に囲まれた景観にリーズナブルな料金、さらに都心から90分程度という便のいい立地などから、平日でも利用者は多い。
特に紅葉の時期は“小京都”の名に相応しいすばらしい景観が楽しめるということから、朝早くから訪れるキャンパーもいるそうだ。
VIEW|景観
荒川水系のひとつ、槻川の川岸に広がるキャンプ場。大きく蛇行したヘアピンカーブのような曲流に面しており、川の東岸に林間サイトがあり、川を挟んだ西側にバンガローがある。
FOOD・DRINK|食料・飲料
最寄りのスーパー、コンビニは本州側の串本市内にある。コンビニ、大型のスーパーともにキャンプ場からはくしもと大橋を経由して約9km、クルマで約13分。
ACCESS|交通
都心からの場合は関越自動車道・東松山ICから約10km、クルマで約20分。高崎方面からの場合は嵐山小川ICから約8km、同15分。混んでいなければ都心から90分程度だ。
ADVICE|ひとことアドバイス
水遊びを楽しみたいなら夏、槻川の景観を楽しむなら紅葉の時期。管理棟周辺ではオートキャンプはできないが、荷物をコンパクトにして水際でキャンプを楽しみたいキャンプ場だ。
嵐山渓谷 月川荘キャンプ場|RANZAN-KEIKOKU TSUKIGAWA-SO CAMP GROUND | |
営業期間 | 通年 |
定休日 | なし |
サイト数 | フリーサイト:100組 キャビン:20棟 |
所在地 | 〒355-0225 埼玉県比企郡嵐山町鎌形2604 |
予約方法 | 予約不要(バンガローのみ電話予約) |
チェックイン | 10:00~17:00 |
チェックアウト | 08:00~10:00 |
地面 | 芝生・草・土 |
参考料金 | 3060円( おとな2名利用時の税込合計料金) |
電話番号 | 0493-62-2250 |
WEBサイト | https://tukigawasou.jimdofree.com |
設備 | |
区画サイト | × |
フリーサイト | ◯ |
AC電源 | × |
車両搬入 | ◯ |
オートキャンプ | ◯ |
簡易宿泊棟 | ◯ |
水回り付宿泊棟 | × |
ペット | ◯ |
ドッグラン | × |
焚き火 | ◯ |
直火 | ×(※直火は川原のみ可能) |
炊事場 | ◯ |
給湯 | × |
ゴミ捨て | × |
コインシャワー | ◯ |
風呂・温泉 | × |
洋式水洗トイレ | × |
洗浄機能付便座 | × |
BBQ設備 | ◯ |
洗濯機 | × |
乾燥機 | × |
自販機 | ◯ |
管理棟 | ◯ |
24時間管理 | ◯ |
売店 | ◯ |
Wi-Fi | × |
レストラン | × |
レンタル | ◯ |
注意 | 営業内容は変更されている場合がございます。詳細は各施設に直接お問い合わせください。 |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|Camp Goods Magazine vol.18
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