佐賀県武雄温泉〜長崎県長崎を結ぶ西九州新幹線の開通に沸く西九州エリア。将来的に九州新幹線まで延伸されれば、福岡から乗り換え不要で51分(〜長崎:予定)。大阪や東京圏からの陸路移動も可能となる。「スミヤキッカス」が店舗を構えるのはその西九州新幹線の停車駅でもある諫早市の市街地だ。

▲「スミヤキッカス」が入居するねむの木ビル。向かって右側に入口がり、エレベーターを使って3階へとあがる。ビルの看板に「スミヤキッカス」の文字はないので、気をつけて。
キャンプをしたことがない人はいても、バーベキューをしたことがないという人はいないだろう。誰にでも経験のあるバーベキューは、炭を使って手軽に楽しめる身近なアウトドア・アクティビティだ。
もっとも、燃料である“炭” は品質も価格も千差万別で、その世界は奥も深い。長崎県諫早市でキャンプ用品店「スミヤキッカス」を営む新谷さんは、そんな“炭”の世界に惹かれ、神奈川から単身長崎へと移住、昔ながらの手法で製炭する炭焼き職人として腕を振るってきたという、異色の経歴の持ち主だ。
職人として活躍していた頃は製炭と店舗の運営という2役をこなしていたが、現在は製炭業を知人に任せ、自らは店頭に立って「スミヤキッカス」を切り盛りしている。
2018年にオープンしたというその店舗は、一昨年現在の諫早市に移転。30坪という、個人店としては十分なスペースに売り場面積を拡大し、日本中から仕入れた商品を販売している。
商業ビルの3階にある店舗には、自社ブランドを冠した木炭を筆頭に、キャンプ道具が所狭しに展示されており、アパレルから道具類までカバーしている範囲はかなり広い。

▲雑然と商品が並ぶ店内だが、それぞれの商品には店主が手書きした商品説明付きのポップも目立つ。気さくな性格の店主だから、わからないことは聞いたほうが早い。
九州エリアでは取り扱いの少ない「EYL」や「テンプラサイクル」も取り扱っているし、お馴染みのガレージブランド「ロックフィールド・イクイップメント」や「バリスティクス」も。最近は「グリップスワニー」のテントやアパレルも人気が高いそうだ。取材時には人気の高い「山のU」製品の在庫も豊富に揃えていた。
もちろん、地の利を活かした地元ブランドにも力を入れている。波佐見焼き(長崎県)で作られた七輪は、炭火で楽しめる手軽なクッカー。組み合わせる燃料は、自社ブランドの樫木炭を勧めているそうだ。
開業から4年を超えた現在では、そんな新谷さんの目利きを頼りに、九州全域からキャンパーが訪れるほどになった。
「30〜40代の男性が中心ですね。マニアックなお客様が多いです」と、新谷さんは語る。
九州のキャンプ場といえば、熊本や大分が人気だが、意外にも長崎・諫早にも絶景が堪能できる海沿いのキャンプ場が多いそうだ。地元九州のキャンパーはもちろん、本州からの遠征組も、西九州を訪れる機会があればぜひ一度足を向けてみるといい。時間があれば、炭についても詳しく教えてくれるだろう。

▲キャップやランタン、バックパックなどが壁面一面にディスプレイされている店内。

▲普段よりもちょっとだけ奮発して、良い肉を木炭でじっくりと焼き上げるのは、やはりアウトドアならではの醍醐味。「スミヤキッカス」のオリジナル樫木炭は、今も職人仲間の手で丁寧に作られている。

▲店舗の入口。カタカナで描かれた「スミヤキッカス」の提灯が目印。

▲ロウロウマウンテンワークス(RLMW)のバックパックは特に人気が高い。「EYL」のサコッシュもおすすめ。
次のページでは取り扱い商品の一部をご紹介しよう。
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