モノづくりにはさまざまなスタイルがある。大量に作って数多くの人へ売るという考え方もあれば、とことんこだわったモノを欲しい人に少量だけ作って売るという考え方もある。どちらが正しいということではない。
前者は生産コストを下げることができ、結果的に製品を安く販売することができるため、ユーザー側にもメリットがある。
本誌でもお馴染みの「サンセットクライマックス」は明らかに後者だ。
しかもそのモノ作りは“ストイック”という言葉がぴたりと符合するほど、とことん徹底している。
新作のテント「セル01」もまた、期待を裏切らない、いや正確にいえば期待を大きく上回るほど徹底したこだわりの塊である。
生地からフレーム構造に縫製まで一切の妥協なし
ストイックなモノづくりが産んだ純日本製テント
「ゼロから作ったテント生地」「MADEIN JAPAN(!)」「フレームはA7075超ジュラルミン」「ガイロープは本橋テープ製」「ペグは厚さ9mmステンレススチール製(重量375g)×4本にセル01専用ペグの組み合わせ」「収納ケースはリサイクルナイロン+バリスターナイロン製」……。呆れてしまうほどのスペックだ。
「誰がやっても美しく張れるように、試作品を何度も作り直し、その度に何ヶ所もマーキングをして縫製を修正してきました」とサンセットクライマックス代表の浦田さんは語る。
3本のフレームをベースにした独自の形状はトンネル型ともドーム型とも取れるが、センターポールの下側を二股にしたことが特に注目すべき点だ。
デザイン上のポイントとしているだけでなく、フレームとテントの強度を増し、設営も簡単になるなど、構造面でも工夫を凝らしている。
テントは軽量なのにペグが重量級!
サイズは大人2名(+幼児)が使うのにちょうどいいサイズ感。これは「テントが大きすぎるとタープとのバランスが悪くなる」という、スタイリング重視の発想から。
オフホワイト1色展開というカラーも、独自のこだわり。これはもちろん歴代の「サンセットクライマックス」製タープとトーンを合わせたもの。
ちなみに「汚れる」という心配は無用。なぜなら「汚さないで使う」ことが前提だから。
既出の浦田さんは「テントは軽く仕上げたんですが(約2. 7kg)、総重量はけっこう重いですよ(約9.5kg)。ペグだけでも2kg以上ありますから」という。
テント本体の重量に匹敵するのが付属のペグというも可笑しな話だが、ペグがしっかりしていないとテントもピン張りできないというのだから、これまたこだわりの結果なのだ。
ディテールの一つひとつにまで徹底したモノ作りに、共感してくれるファンは必ずいる。
彼らに応えるように、そして彼らの期待を裏切らないように。「セル01 」は熱心なファンに向けて、発売を開始した。
セル01 設営の手順とポイント
ABOUT SUNSETCLIMAX|サンセットクライマックスとは
本業は国内外での数々の受賞歴を誇るデザイナー。その卓越したデザイン力を活かし、学生時代の友人たちと立ち上げたのが「サンセットクライマックス」だ。製品企画に対するストイックな思いは、数あるブランドの中でも群を抜き、故に熱狂的なファンに支えられている。写真は代表を務める浦田さん。
SPEC | |
ブランド | サンセットクライマックス |
モデル | セル01 |
カラー | オフホワイト |
サイズ | W370×D332×H190cm |
重量 | 9.5g(総重量) |
素材 | ナイロン70Dリップストップナイロン高耐久型ウレタンコーティング生地(耐水圧2000mm ※専用生地) |
推奨人数 | 2人 |
価格 | 44万円(税込) |
WEB | https://www.sunsetclimax.com |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2023
SOURCE|Camp Goods Magazine Vol.33
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