SPECIAL

特集|金属加工の本場“ 燕三条” で生み出されるキャンプ道具|村の鍛冶屋


粉体塗装を施されたカラフルな鍛造ペグで知られる「村の鍛冶屋」。金属加工の本場“燕三条”の職人たちと共に生み出される道具の数々は、手作業による「伝統の技」と、金属加工の「先端技術」により生み出される古くて新しいものばかりだ。

“金属加工・金物生産の本場”として知られる、新潟県・燕三条。燕市、三条市の一帯を総称するこの燕三条では、古くから刃物・金物や洋食器の生産が盛んに行われており、国内はもとより今では世界的にもよく知られている。もともとは江戸時代に和釘の生産をはじめたことがきっかけとなり、鍛冶が地場産業として根付いていったそうだ。戦後は近代化を進めながらも、モノづくりの原点である技術の伝承にも力を入れ、現在では職人の手作業による昔ながらの伝統的な技能と、世界最新鋭の金属生産施設が共存する、「伝統の技」と「先端技術」の両方が揃った、金属加工産業の集積地となっている。

「村の鍛冶屋」を運営する山谷産業があるのも、その燕三条の一角だ。1979年に漁具の販売を主に創業した同社は、現社長の下で7年前よりアウトドア用品市場へ参入。もともと自社内に生産設備を持たないファブレス企業だったことから、従前より取引のあった職人たちと連携し、同社の代表作である鍛造ペグ・エリッゼステークの開発にこぎつけたという。

三条市内を流れる五十嵐川では古くから鋼の材料として欠かせない良質の砂鉄が採れたことから、周囲には包丁や鋸などの金物を製造する職人たちが数多く存在した。こうした匠たちの協力を得て、鋼材を真っ赤に熱して強力な圧力を加え、楕円形に潰した鍛造ペグが生まれたという。丸いペグは地中で回ってしまうが、断面を楕円にすることで外力が加わってもしっかりと固定することができる。他にもハンマーで叩く頭の部分の面積を大きくしたり、ロープが断裂しないように角をとるために絞り加工を加えたり、1本のペグに徹底した工夫が施されている。

こうして生まれたアウトドア用品の数々がヒットとなり、今では同社の売り上げの半分がすでにアウトドア用品で占められているというから驚かされる。 近年は「村の鍛冶屋」とは別に、燕三条産のバーベキュー用品に特化した「TSBBQ」も立ち上げ、ステンレスとアルミの三層鋼という最新技術で製造された、軽量で使い勝手に優れるダッチオーブンも開発。地の利を生かした道具を次々と生み出している。

代表を務める山谷さんは「今後は燕三条で活躍を続ける匠たちの製造現場を巡るツアーを行い、伝統的な技術により製造されるモノづくりの現場を、ユーザー自身の目で確かめてもらう機会も作っていきたい」と、抱負を語る。真っ赤に熱せられたペグが炉から次々と生まれてくる光景を目の前にすれば、きっと道具に対する愛着も一層わくことだろう。

村の鍛冶屋
WEBサイト http://www.muranokajiya.jp/

PHOTO|村の鍛冶屋 / KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2020
SOURCE|Camp Goods Magazine vol.12

Copyright © 2020 Camp Goods Magazine
本WEBサイトにて掲載されている写真及びテキストの無断転載を禁じます。

最近の記事

  1. キャンプグッズ・マガジン vol.15|10月30日発売

  2. エリバパック|優れたデザインから人気の高い ヴィンテージ・トレーラーの代表作

  3. エリベッテ|スペース効率の良いコンパクトなクラシック・トレーラー

  4. マイアミ浜オートキャンプ場(滋賀県)|設備の整った琵琶湖随一の大型キャンプ場

  5. キャンプマーケット(埼玉県)|ビギナーからマニアまで納得するオートキャンプ専門店

INSTAGRAM|インスタグラム