
特集|薪(まき、たきぎ)の選び方
燃焼の3要素は「空気(酸素)」と「熱」と「燃料(薪)」だ。この内、どれが欠けても薪は燃焼しない。つまり、焚き火や薪ストーブを楽しむためには、上記の3要素がバランスよく成立している必要がある。
3要素中、唯一調達が必要なのは燃料である薪だ。この薪には「良い薪もあれば、悪い薪もある」というのが、“薪ソムリエ“とも呼ばれる火の専門「イルビフ((iLbf))」の店主、堀之内健一朗さんだ。
特に良い薪の条件は十分に乾燥されていることで、水分含有量が多い”悪い薪”は燃えにくいだけでなく、高い熱で無理に燃やすと水蒸気爆発を起こすこともあるので要注意だという。 現地調達する場合は、こうした水分含有量の多い薪しか入手できない場合もあるそうで、出来れば事前に信頼できる店で良く乾燥された薪を用意しておくのがお勧めとのこと。
水分の多い湿った薪を燃やすためには、良く乾燥された薪と一緒に燃やすこと。そのためにも、良く乾燥された薪を事前に準備してからキャンプに出かけよう。
なお、「イルビフ」では、水分含有量を20%以下に保った、十分に乾燥をさせた薪ばかりを厳選して販売している。どれも店主自身が厳選した薪職人の手により、丁寧に、そして十分に乾燥させたものばかりである。取り扱う品種は10種類以上。
「楢(なら)」、「椣(しで)」、「櫻(さくら)」、「樫(かし)」、「榎(えのき)」、「欅(けやき)」、「椚(くぬぎ)」、「栗(くり)」、そして「杉(すぎ)」などだ。
価格はどれも1kgあたり167円。ひと晩、薪ストーブを焚くのに必要な量は大よそ15kgというから、2500円程度の予算さえあれば、ひと晩中でも薪を焚いて、揺れる炎を楽しむことができる。
ここではそんな、焚き火や薪ストーブに欠かせない、良い状態の薪を品種ごとに、その特長をご紹介していこう。